
vol.352
北朝鮮が韓国の李大統領を名指し批判
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は1日、韓国の李明博大統領を「逆徒」などと激しい言葉を使って全面非難した。北朝鮮による韓国大統領名指し非難は8年ぶり。李政権の対北政策「非核・開放3000」も「たわごと」と一蹴し、日米韓の連携については「核戦争の危険を増大させている」と警告した。韓国政府は「原則を持って対応する」(大統領府)と冷静だが、南北関係の中断は避けられない見通しで、今後、北朝鮮による軍事的な威嚇も懸念される。
「労働新聞」は「南朝鮮当局が反北対決によって得られるものは破滅だけである」との論評で李大統領非難を全面展開。特に「北朝鮮が核放棄すれば10年間で北朝鮮の1人当たり国民所得を3000ドルに引き上げる大型支援を実行する」との「非核・開放3000」を「南北関係も平和も、すべてを否定する対決宣言、戦争宣言」と攻撃した。
李政権が北朝鮮に改革開放を求めていることについては「許し難い挑発」などと述べ、「逆徒李明博が現在のように南北宣言と諸合意を踏みにじり外部勢力に追随して対決の道を進むなら、わが方も対応を異にせざるを得なくなる」と恫喝した。
李政権はこれまで北朝鮮に対し、支援の継続を望むなら、人権状況を改善し、核問題をめぐる国際合意を順守し、朝鮮戦争以降拉致・拘束した1000人以上の韓国人を解放する必要があると主張していた。
北朝鮮は昨年12月の韓国大統領選後、李大統領に言及せず沈黙。今年1月には非公式に、2月の大統領就任式への北朝鮮代表の出席を打診するなど、李政権への接近を試みているふしもあった。だが南北交流拡大には「核放棄が前提」との李政権の方針が明確になり反発を強め、この数日間は、開城工業団地からの韓国政府職員の追放や短距離ミサイル発射など強硬姿勢を強めていた。
一方、韓国政府関係者は「李政権は過去10年の革新政権との違いを明らかにするためにも核問題優先の姿勢を変更することはない。南北関係悪化は想定内といえる」と述べている。