
vol.352
暫定税率切れ 値下げしたスタンドにはクルマの列
揮発油(ガソリン)税の暫定税率(1リットル当たり25.1円)が失効したのを受け1日、全国の製油所で「値下げガソリン」の出荷が一斉に始まった。この日、いち早く値引きしたガソリンスタンド(GS)に客が殺到する一方、在庫が切れるまで様子見を決めたGSでは閑古鳥が鳴くなど明暗が分かれたが、石油元売り会社によると、大きな混乱はなかったとしている。全国的に値下げの足並みがそろうのは課税分の在庫ガソリンがなくなるまでで、1週間ほどかかるという。
都内激戦区の一つといわれる環状8号線沿線の東燃ゼネラル石油系列店(世田谷区)では、1日午前0時20分にレギュラー価格を前日比19円安の125円に下げたところ、直後から車が列をなした。ただガソリンは出荷時に課税されるため、3月の在庫分は安くならない。このため、当面値下げを見送るGSも多い。新日本石油の系列店(港区)は、軽油は1リットル=118円と19円値下げしたが、レギュラーガソリンは1リットル=155円に据えおいた。同店マネジャーは「店頭在庫がなくなる4日ごろには値下げできる」と説明。個人の固定客が8割を占めるため、給油のつど説明し、理解を求めているという。
トラックを多く所有する物流業界。軽油価格が1リットル当たり約17円下がり、経費削減につながる。佐川急便では「軽油価格が安くなるのに越したことはないが、買い控えして買えなくなっては本末転倒」と3月中に全国にある自家用スタンドのタンクを満タンにするよう指示、すでに対応済みとの認識だ。
シーズン最盛期の引っ越し業界。アートコーポレーションでは「影響はさほどない」と分析。「サカイ引越センター」は「契約しているスタンドがあり、一時的に価格が安いからといって他に移ることはない」と冷静に対応している。
燃料の軽油を日々、大量に消費するバス会社も値下げは歓迎。東京・多摩地区が中心の京王バスは「コスト的には助かるが、ここ1、2年、軽油価格は右肩上がりのため、税率が元通りになれば、最終的にはコストが高くなる可能性もある」。過剰な需要で燃料の供給が間に合わない可能性については「長年、取引している石油会社なので、供給は確保している」。