
vol.352
三菱重工がMRJ事業化を正式発表 受注獲得に自信
三菱重工業は、官民で共同開発している国産初のジェット旅客機「MRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)」を事業化すると正式発表した。2013年の就航を目指す。全日本空輸が25機の購入を決め、他の航空会社も購入に前向きな姿勢を示していることから、一定の受注数が確保できると判断した。国産旅客機の開発は小型プロペラ機「YS-11」以来ほぼ半世紀ぶり。部品や素材の高度化など日本の製造業に幅広い波及効果が期待できそうだ。
三菱重工の佃和夫社長は、東京港区の本社で記者会見し「これまでに世界の約100社の航空会社を回ったが、総じて高い評価を得ている」と、今後の受注獲得に自信を示した。MRJは同型機と比べ、低燃費エンジンの採用や機体を軽くできる炭素繊維素材を多用することで、燃費を3割近く改善でき、騒音も半減が見込める。
三菱重工は事業化決定を受けて4月1日付で開発・生産・販売を担当する新会社「三菱航空機」を資本金30億円で設立し、来年中に1000億円に増資する。同社が約3分の2を出資し、トヨタ自動車、三菱商事、三井物産、住友商事、日本政策投資銀行なども出資する見通しだ。MRJの開発費は約1500億円で、経済産業省が500億円程度を拠出する方針。機体価格は30億〜40億円の見通しで、黒字を確保する採算ラインは350機とみられている。
三菱重工業によるMRJの事業化決定は、日本の航空機産業の実力を大きく引き上げると期待されている。米ボーイングなどの欧米メーカーは、主翼をはじめとする幅広い部品を日本企業からの供給に頼っており、その存在感は増している。航空機は膨大な精密部品を集積しているだけに関連産業のすそ野も広く、日本独自の機体の登場で、自動車に続く大型産業に育つ可能性もありそうだ。
(ビジネスアイ)