
vol.354
ついに26日に聖火が長野上陸
中国・チベット自治区ラサで起きた騒乱の影響は、北京五輪の聖火リレーへの妨害行為として各国に波及し、26日に通過する長野市では緊迫の度合いが高まっている。
長野の聖火リレーは26日午前8時から善光寺で出発式が行われ、約3時間半かけて全長18・5キロのコースを回る。200〜300メートルを1区間として80人のランナーが聖火をつなぐ予定で、ランナーには北京五輪野球代表監督の星野仙一さんやタレントの萩本欽一さん、アテネ五輪競泳金メダリストの北島康介さんら有名人も名を連ねている。
沿道の整理や警備にはボランティアと市職員計約1200人のほか、警察官や警備会社があたる。実行委は13日、ボランティアを集めた説明会で、トラブル時での身の安全の確保を優先するように注意した。
23日に予定していたランナーの出走区間の公表も中止を検討している。実行委はその理由について「警備上の問題」としか説明していないが、有名人が狙われるのを恐れての措置とみられる。ほかに、リレーの休憩時間を使った聖火展示の中止も検討中。
さらに長野市は14日、聖火リレー終了後に長野オリンピックスタジアム前で予定していた記念イベントの中止を決めた。各国での混乱を受けた「警備関係の見直しの一環」(体育課)という。聖火トーチの記念撮影コーナーや北京五輪公式グッズの抽選会、地元団体の太鼓演奏などの催しが組まれていたが、すべて取りやめることにした。
ルート変更パキスタンは競技場内走ってお終い
[イスラマバード ロイター]パキスタンの首都イスラマバードで16日、アジア地域で最初の区間となる北京五輪の聖火リレーが行われた。
パキスタン当局は国内にチベット人コミュニティーがないことから中国政府への抗議活動を予測しておらず、特別な脅威もないとしていたものの、イスラム過激派による自爆攻撃などが相次いでいることから、数千人の警察官らが会場となるスポーツ競技場などに配備される厳戒態勢が敷かれた。
聖火リレーのルートは治安上の懸念から、当初の市内を回るものから競技場内に変更されており、両国の聖火リレー走者は警察や兵士の警護を受けながら競技場内を2キロ程度走るなどした。
パキスタンと中国は友好関係にあり、中国はパキスタンへの主要な武器輸出国。ムシャラフ大統領は式典で、中国はパキスタンにとって親密な友人と述べ、北京五輪を支持する姿勢を示した。
[キャンベラ 16日 ロイター]今月24日に北京五輪の聖火リレーが行われるオーストラリアのキャンベラでは、チベット支援活動家や気功集団「法輪功」などによるリレーの妨害を防ごうと、中国からの留学生や移民が集まりつつあるという。中国系の学生組織関係者によると、当日には少なくとも1万人が集まる見通し。
暴力行為拡大するならダライ・ラマ辞任意思
[シアトル ロイター]ダライ・ラマ14世は13日、訪米中のシアトルで、中国チベット自治区での暴力行為が拡大するなら、亡命政府の指導者的地位を辞任するとの考えを明らかにした。
チベット仏教最高指導者のダライ・ラマは、記者会見で「もし暴力が収拾つかない状態になるなら、私の選択肢は辞任しかない。大多数の人が暴力を振るうなら、私は辞任する」と述べた。
中国政府は先月にチベット自治区ラサで起きた騒乱について、チベット独立や北京五輪の妨害を目的に、ダライ・ラマが扇動したものだと批判している。
これに対し、ダライ・ラマは北京五輪への支持を表明し、ロンドンやパリ、サンフランシスコでの聖火リレーが、中国政府への抗議行動によって妨害されたことは悲しいことだと述べた。さらに、自身が求めているのは中国からの分離・独立ではないと強調した。