
vol.356
長野の聖火リレー混乱なく終了
[ロイター]北京五輪の聖火リレーが26日に長野で行われ、大きな混乱なく終了した。消防・警察によるとリレーを支持する中国人4人が負傷、男3人が逮捕された。逮捕された男の1人はチベットの旗を持って沿道からリレーコースに飛び出し、警察官らによって取り押さえられた。
今回の聖火リレーでは、チベット問題をめぐる妨害行為が予想されたことから、警察官3000人以上が動員され厳重な警備体制が敷かれた。
聖火ランナーの走行中は、100人近い警察官がランナーの左右両サイドで二重の盾となり警護。白と青のトラックスーツを着た中国からの聖火警備隊2人もランナーのそばで並走した。沿道には多くの中国支持者らが赤い中国国旗を振る姿がみられた。
また、長野駅周辺では、中国人グループやチベット支援者らによる抗議グループ、日本の右翼系活動家らによる小競り合いがあり、負傷して顔から血を流す男性の姿がテレビで放送された。
人権団体アムネスティ・インターナショナルのメンバーは長野駅前で、中国の人権問題をめぐる抗議活動を実施。それに対して中国政府の支援者らが近づき、「うそつき」と叫ぶ騒ぎがあった。
27日には2日間にわたる朝鮮半島での北京五輪の聖火リレーがスタート。盾や警棒で武装した多数の警察機動隊が沿道を警備する中、韓国でリレーが行われた。当地での聖火リレーは、1988年のソウル五輪で使用された公園を出発、22キロの距離で行われたが、土壇場までリレーコースについては明らかにされなかった。韓国警察の発表によると、反中国の抗議者らに投石した疑いの中国人2人と、リレーの進行を妨害しようとしたなどの容疑で脱北者3人を逮捕した。
韓国でのリレーを終えた聖火は、空路北朝鮮に運ばれ、28日には、平壌で初めてとなる聖火リレーが行われた。韓国の聯合ニュースによると、リレーのコース沿いには北朝鮮と中国の国旗を手にした何万人もの民衆が並び、聖火リレーを熱狂的に出迎えた。
一方、29日夜、国際ルートの最終地となるベトナムのホーチミンで行われた聖火リレーは混乱なく終了した。当地では、これまでの多くのリレー開催地と同様、ランナーの回りを多数の警察車両などが取り囲む厳戒態勢の中での開催となったが、目立った妨害行為などもなく、夜間の聖火リレーにもかかわらず、数千人の観衆に見守られながら平和的に行われた。
王千源さんへの脅迫事件 米司法機関が事情聴取も
米南部の名門デューク大学で、チベット問題をめぐる学内対立の回避を呼びかけた中国人女子学生、王千源さん(20)が、学内の留学生を含む中国人社会から、脅迫や嫌がらせを受けている。
王さんのパソコンには、数え切れない脅迫や嫌がらせのメールが記録され、個人情報がネット上で暴露された。王さんは学内集会で「まず冷静になりましょう」と呼びかけて仲介を試みただけで、「チベット独立」については支持していない。
学内での言論が脅迫などの対象となったことについて、デューク大学のデービッド・パレッツ教授(政治学)は「大学で言論の自由が得られないなら、一体どこで得られるというのか。インターネットの登場によって、言論の自由に対する対価は高くつき始めている」と懸念を示した。
愛国集会の主体となった同大学の中国人学生組織は、学内や米国社会からの激しい批判を前に「この学生(王さん)の状況に同情する」との書簡を公開する一方、意図的な個人情報の横流しについては否定。関係者によると、今回の言論に対する脅迫などについては、米司法機関が事情聴取に乗り出す構えをみせているという。