
vol.357
『ぱつんぱつん』なニューアルバム、できちゃいました!
グループ魂
暴動=宮藤官九郎、破壊=阿部サダヲ、バイト君=村杉蝉之介らを中心としたロックバンド、グループ魂がニューアルバムを発売する。タイトルは『ぱつんぱつん』。舞台に映画にドラマ、他のバンドに、飲食業…と、常に“ご多忙中”な人たちが、“ぱつんぱつん”な中で作った作品とは? 破壊、サウンドの要である遅刻=富澤タク、そして40歳を迎えた石鹸=三宅弘城に聞いた。
前作『TMC』にはやられた。ニューヨークマスタリングされたハイクオリティーのロックやパンクは聞き応えがあったし、“中村屋!”と叫ぶコントにいたっては、ウェブ上でフラッシュファイルが勝手に配布されるほど話題を集めた。そんなわけで自然とワクワクが高まるニューアルバムの『ぱつんぱつん』。CDに収録されているのはトータルで78分10秒。1枚のCDに収録可能な時間はレコード会社によって異なるが、グループ魂が所属するキューンレコードでは78分16秒。「何かあったときのために多少余裕がないと」と、石鹸。
遅刻「明確なコンセプトとかタイトルを考えて始まった感じじゃないんで、気づいたらこうなっていた感じなんです。リハーサルもレコーディングも、出来上がった量もギリギリいっぱいいっぱいになって。で、タイトルも“ぱつんぱつん”でいこうかみたいな、ね」
破壊「“ぱつんぱつん”のなかでのアルバム作りではありました。みんなそれぞれ忙しい人たちなので、全員でスタジオに入ることも難しいですし。後になって聞いたんですが、(アルバムのための)曲作りは去年の夏から始まってたらしいんですけど、全然知らなかったし、僕がスタジオに入ったのも冬になってたし。バイト君どころか、自分さえ呼ばれてなかった(笑)。だから、いよいよ歌を入れるときは難しかったですよね。みんなそれまでに曲を練りこんで作り上げているわけだから、思い入れとか、その時の温度みたいなものがあるのに、何も知らずに入っていくんですから。何度も歌った曲もありますよ。ただ、一番テイクが多かったのは、(港)カヲルさん。カヲルさんは、(セックスピストルズでいう)マルコム・マクラーレンみたいな人物なんですけれども、“ゴメンね”っていう一言を、60テイクぐらいやってましたね」
遅刻「真面目な話をすると、パーティーみたいなアルバムにしたいっていうのはあったんですよ。それに加えて、世界一周旅行のようなめまぐるしく世界観が変わっていく感じになればいいよねぇ、なんて。ただ、作っているうちにどんどん新しいアイデアが湧いて、それも忘れて夢中にレコーディングしました」
21曲プラス6コントを収録。カッコいいロックあり、レゲエ調の楽曲あり、笑いもふんだんとバラエティーに富んでいる。
石鹸「グループ魂は詞が先にあって曲を作るスタイルなんですよ。今回の『筋肉PUNX 〜三宅弘城40歳記念ソング〜』にしてもそうで、暴動から“これやって”って渡されまして。じゃあ、やりましょうか、と。それで、僕がやることですからパンクな感じになっちゃったっていうか」
ちなみに前作『TMC』には、バイト君の40歳を祝った曲がある。破壊いわく、「グループ魂の儀式というか、通過儀礼みたいなもの」なのだそうだ。
さて、アルバム『ぱつんぱつん』のポイントを挙げるならゲストミュージシャンの多さだろう。バービーボーイズの「目を閉じておいでよ」を彷ふつとさせる「片付けられない7Days 〜グループ魂に杏子が〜」、アジアの匂いがプンプンとする「欧陽菲菲〜グループ魂に横山剣(クレイジーケンバンド)も〜」、破壊こと阿部サダヲがディスられまくる「勃発!バンド内抗争 〜グループ魂にスチャダラパーまで〜」など、タイトルだけでも驚きと笑いをくれるラインアップ。
破壊「すごいですよね。これまでは、ビデオに登場してくれたり、一緒に歌うってことはありましたけど、剣さんみたいに完全に楽曲提供っていうのはなかった。スチャダラパーさんにしても、一緒に歌詞も書いてるし…」
遅刻「杏子さん参加の『片付けられない〜』は詞はあったんだけども、杏子さん次第だから今回はできないかも、でもいつかできたらいいね、っていう程度だったんだけど、参加してくれることになって。逆に慌ててアレンジして、バンドで練習して(笑)」
そのほかにも、パーティーナンバー「七人のParty」、挨拶してほしいと叫ぶ「アイサツはハイセツよりタイセツ」、新しいライブアンセムとなりそうな「センチメンタル☆トランジスタ☆お父さんGo!Go!天国」、あるバンドへのオマージュ「オクサーヌ」などを収録。とにかくサービス精神旺盛だ。その一方で、母の日の定番曲を目指した「おかあさん」という曲では、メンバーそれぞれが自分らしい“おかあさん”にメッセージを送る一面も。
破壊「親孝行ですかぁ? 紅白歌合戦に出られてようやくできたんじゃないですかね」
石鹸「本当に楽しかったみたいで、僕の親なんて客席に飛んできた紙ふぶきとか持って帰ってきましたからね」
遅刻「僕もようやく就職しろって言われなくなりましたし……」
石鹸「今になって?」
破壊「まさに『就職しやがれ!』(グループ魂の曲)ですね…」
気づけば、紙面もぱつんぱつん。とりあえず、この続きは、6月21、22日に秩父ミューズパークで行われる「グループ魂の秩父ぱつんぱつんフェスティバル」で。見れば、アルバム『ぱつんぱつん』と、グループ魂のすばらしさがいっぺんに分かるはずだから。
(本紙・酒井紫野)