
vol.357
ロシアでメドベージェフ新大統領誕生も…
ロシアのドミトリー・メドベージェフ新大統領(42)の就任宣誓式が7日、モスクワのクレムリンで行われた。インタファクス通信が、大統領府広報の情報として伝えたところによると、メドベージェフ新大統領はウラジーミル・プーチン前大統領(55)を首相に正式に指名した。指名人事は、議会の承認が必要となる。
これで強大な権力を持つ旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身の首相と、戦後の旧ソ連・ロシアを通じて最年少国家指導者による異例の「双頭統治体制」が発足した。
メドベージェフ新大統領は宣誓式で、プーチン前大統領が後継指名してくれたことに感謝。そのうえで、プーチン氏が築いてきた大国ロシアの復興路線を継続し、「国民の生活水準向上とロシアの発展のために全力を尽くす」と言明した。
新大統領が誕生したものの、実態はプーチン前大統領が新政権の運営を主導していくものとみられている。メドベージェフ新大統領は国家元首でありながら事実上、実権のない“象徴大統領”に甘んじることになりそうだ。
ロシア国内での報道も「プーチン氏はサッカーチームができるほどの副首相ポストを準備し、大統領権限を奪おうとしている」「プーチン新首相の下では、首相府での取材体制が厳しくなる」などと、プーチン氏の動向ばかりに強い関心が集まり、メドベージェフ氏の政策などには、あまり関心が寄せられていない。
それはロシアは旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身のプーチン氏に近い「シロビキ(武闘派)」と呼ばれる軍や治安・保安機関関係者たちにより現体制を事実上、牛耳られ動かされているため。メドベージェフ氏にはそのシロビキとのつながりはない。一方、プーチン氏はシロビキの最右翼とされ、民間石油会社、ユコスを倒産に追い込んだ中心人物のセチン大統領府副長官らシロビキ人脈を新内閣に異動させ、政府ににらみをきかせる意向。
さらに、プーチン氏は下院(450議席)の7割の議席を占める与党「統一ロシア」の党首として議会からも新大統領を監視・牽制する。政府と議会の両方から監視下に置かれた新大統領は、プーチン氏に従うしかない状況となっている。