
vol.358
三菱東京UFJ 新システム移行で大規模障害 約2万件が取引不能に
三菱東京UFJ銀行が12日に稼働させた新システムで、提携先のセブン銀行のATMから預金を引き出せないなどの障害が起きた。午前中には解消したが、約2万件で取引ができなかった。
障害は、旧東京三菱銀行の店舗で発行されたキャッシュカードをセブン銀のATMで使用した場合に相次いだ。通帳に10件以上の未記帳がある顧客には、利用明細書に記帳を促す文言を記載するが、記載文にセブン銀のシステムでは受信できない漢字が含まれていたことから、データが弾かれたという。このほか、旧東京三菱銀のATMからゆうちょ銀などへの入金サービスでも約200件の障害が起きた。
2006年1月に発足した三菱東京UFJ銀は、旧東京三菱銀と旧UFJ銀行のシステムが併存し、店舗で商品やサービスが異なる状況が続いており、今年末の完了に向けシステムの統合作業を進めている。この日は旧東京三菱銀の全店舗約250店で一斉に新システムに移行する初日だった。
約4000万口座を持ち、1日に約1億件の取引がある巨大システムの統合には総額3300億円を投入。02年に起きたみずほフィナンシャルグループの大規模障害を教訓に、統合完了を当初よりも1年延期したほか、2〜4月の週末や休日にATMを一時休止するなど入念に準備してきた。残る旧UFJ銀の約420店は7〜12月に5回に分けて移行する計画になっている。
障害は、巨大銀行のシステム統合の難しさを改めて浮き彫りにした。初日に向けては、顧客の利便性をあえて犠牲にしてATMを一時休止。取引が集中した状態でもシステムが正常に動くかなどをテストするリハーサルを全店で行った。入念な準備を行ったにもかかわらず、統合初日に障害が起きたことで、顧客の信頼低下は避けられそうもない。再発は許されないだけに、統合スケジュールの再点検を迫られるのは必至だ。金融庁は銀行法に基づき同行に対しトラブルの原因や再発防止策などについての報告を求める方針。同庁は年初からシステム統合の集中検査を行うなど社会的に影響の大きい障害発生を未然に防ぐよう求めており、行政処分に発展する可能性もある。
(ビジネスアイ)