
vol.358
また稀勢の里…朝青龍の夏場所は黒星発進
大相撲夏場所(両国国技館)は、初日に横綱朝青龍が小結稀勢の里に敗れる波乱の幕開けとなった。
支度部屋で腰を下ろした朝青龍の視線がうつろにさまよった。消え入りそうな声で「迷った。中途半端だったね。立ち合いはまあまあ良かったんだけど…」とポツリ。稀勢の里にいいところなく敗れたショックがありありとうかがえた。
最大の武器である立ち合いの鋭さが影を潜め、懐に飛び込まれる。張り差しも、苦し紛れの小手投げも効果なし。腰が砕けるようにして土俵へ落ちるぶざまな姿をさらした。
先場所で肉離れを起こした左ふくらはぎはテーピングでがっちり。足の状態について「踏ん張れなかったが、大丈夫」と影響を否定する。しかし、手でもんだり、ぶらぶらさせたりと、違和感を抱いている様子は隠しようもない。
それ以上に気がかりなのは、若手の勢いに押されかけている点だ。21歳の稀勢の里には今年に入って1勝2敗と分が悪く、先場所は24歳の琴奨菊に不覚を取っている。
翌日には把瑠都を下し連敗発進こそ免れた。だが、足腰に不安を抱えた横綱にとっては苦難が続く夏場所になりそうだ。