
vol.359
サブプライムで損失9843億円 大手銀6グループの最終益が3割減に
三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行6グループの2008年3月期連結決算が20日、出そろった。米国のサブプライム住宅ローン関連の損失額は6グループの合計で9843億円に達した。最終利益は計1兆8662億円と、前期比33.9%減の大幅な減益。減益は2年連続で、大手銀行の収益力強化の停滞が鮮明となった。最もサブプライム関連損失が大きかったのがみずほフィナンシャルグループで、国内金融機関として最大の6450億円を計上。傘下のみずほ証券が扱っていたサブプライムローン債権などを組み込んだ証券化商品が大幅に値下がりした。
本業のもうけを示す業務純益は、みずほと三井住友が増益を確保したものの、合計では3.8%減の3兆3627億円に縮小。最終利益は唯一、増益を確保した三井住友を除く5グループが2けたの大幅減益。市場の混乱で投資信託などの金融商品の販売が落ち込んだほか、景気減速で企業向け貸し出しも伸び悩んだ。09年3月期の業績回復を見込むが、サブプライム問題の底は見えていないうえ、国内景気の減速も鮮明、もくろみ通りに業績が反転するかは不透明だ。
大手銀6グループは07年9月中間決算の段階で計上した関連損失は約1150億円。この際の通期予想では、損失は最終的に約3000億円と見込んでいた。ところが、金融市場の混乱の深刻化で、サブプライム関連の証券化商品の価格下落が加速。サブプライムとは直接関係のない証券化商品にも影響が飛び火した。証券化商品を保証する「モノライン」と呼ばれる米金融保証会社の格下げに伴い、モノライン向け融資も焦げ付いた。結果、関連損失は当初予想の3倍以上に膨れ上がった。
損失が想定を超えて雪だるま式に増えていくサブプライム問題の根は深く、米国経済の減速や原油、穀物相場上昇などに影響が波及している。国内景気も減速が鮮明で原材料高や外需の失速で企業業績が悪化。銀行の不良債権が増大し貸倒引当金の積み増しなどが業績の圧迫要因となるリスクは高まっている。本業の収益力強化という課題も道半ばで、大手銀行の業績は先行き不透明感を増してきた。
東京海上日動火災保険など主要損害保険9社の2008年3月期決算(単体)が21日、出そろった。市場環境の悪化で主力の自動車保険が低迷したことから、一般企業の売上高に相当する正味収入保険料はあいおい損害保険を除く8社で減収。本業の損保事業の悪化に加え、米国のサブプライム関連など運用面の損失が影響し、6社で最終減益となった。
サブプライム関連損失として、あいおい損保が836億円を計上したほか、損害保険ジャパンが300億円、東京海上日動火災保険などを傘下に持つミレアホールディングスが21億円、三井住友海上火災保険が2億円を計上した。09年3月期については「08年3月期に十分な損失を計上した上、市場も安定する」(あいおい損保の梅村孝義常務)として、各社とも追加損失を見込んでいない。
(ビジネスアイ)