
vol.364
携帯回収が過去最低 レアメタル再利用に難題
電気通信事業者協会(TCA)と情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)は24日、2007年度の携帯電話・PHS端末の回収台数が前年度比2.7%減の644万台と、過去最低に落ち込んだと発表した。使わなくなった端末には金や銀、インジウムなどのレアメタル(希少金属)が豊富に残されており、「都市鉱山」と呼ばれ、回収・リサイクルが課題になっている。しかし、手元に残しておくユーザーが多いほか、個人情報の流出懸念から、回収台数は減少を続けている。
経済産業省では、今秋の臨時国会に「資源有効利用促進法」の改正案を提出し、販売店に購入者へのリサイクルに関する説明を義務付けるなどで、回収を促進したい考えだ。
調査によると、回収台数は00年度の1361万台をピークに年々減少し、07年度は半分以下にまで落ち込んだ。写真やメールが保存された端末を思い出として残しておいたり、電話番号などのデータのバックアップ用に利用するユーザーが多いことが主な理由。個人情報流出を懸念する声も強いほか、著作権保護のため、ゲームや音楽などのコンテンツを買い替えた端末に移せないことも減少の原因になっている。
これに対し、レアメタルのリサイクル推進を掲げる経産省は「メーカーや通信事業者、販売店と流通経路が複雑で、回収に積極的ではない」と分析する。このため、販売業者に対し1台に含まれるレアメタル量や個人情報の流出防止策を購入者に説明することを義務付け、ユーザーの抵抗感を和らげることで回収につなげたい考えだ。ただ、購入時に保証金を徴収し回収の際に払い戻すデポジット制は「販売への影響を懸念する業界の反発が強い」として見送った。この結果、法改正は自発的な回収を促す「緩やかな規制」となり、効果が限定的にとどまる可能性が高い。今後は通信事業者などが、回収に協力した人に対価を支払うなどの方策も必要になりそうだ。
(ビジネスアイ)