今週のTOKYO HEADLINE
vol.365
(2008.07/07-07/13)
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Sports vol.365

2レース制で、人がどんどん見えてくる。レースがもっと面白くなる。

フォーミュラ、人間復興

日本最高峰を決定する、もっとも過酷なレース、フォーミュラ・ニッポン。世界にも通用する国内メーカーが、その威信をかけて臨む全8ラウンド。7月12、13日の鈴鹿ラウンド、そして続く8月9、10日のもてぎラウンドでは、懸案の2レース制がいよいよ導入される。ドライバーへの負担はどうなるのか、そしてメカニックの動きは――? 2レース制で鋼鉄の塊を駆る男たちの熱く、人間くさいドラマが浮き彫りになろうとしている。

2レース制がもたらすもの

 フォーミュラ・ニッポンが、今季第5戦鈴鹿、第6戦もてぎで採用する新しいレース方式「2レース制」。これは、今まで1回で行っていた決勝レースを2回に分けるというものだ。しかも、1回目のレースの順位によって、第2レースのグリッドが決定するという。
 簡単にいうとこうだ。第1レースは今までどおり、予選総合でトップを取った選手がポールポジション。そして、この第1レースで8位だった選手が、第2レースではポールポジションにつく。1位の選手は逆に8番手からのスタート。つまり、1位から8位だった選手が、8位から順にポールポジションに近いグリッドからのスタートになる。
 これにより嫌でもレースが“動く”ようになる。レースが2回に分かれても、チェッカーフラッグを受ければ高いポイントを獲得できるのは変わらずなので、皆目の色を変えてアタックしてくるだろう。平手、立川、伊沢らルーキーの台頭が著しい今季、帝王・松田も安穏とはしていられない。過酷さを増すレースをどうさばくのか。ガムシャラな走りを見せるルーキーたちとの抗争も見どころのひとつとなるだろう。
 そしてまた、2レース制は忘れがちだったレースの中の「人」をもう1度思い出させてくれる。2回のスタートは想像以上にドライバーをソリッドにする。第1レース、第2レースのスタート前、ドライバーたちはどんな表情の違いを見せるのだろう? もともと全車とも同一規格のため、ドライバーの力量がダイレクトに出るといわれるフォーミュラ・ニッポン。その「人による差」が、2レース制でますます顕著になってくるだろう。
 初心者には、鉄の塊が走り回るようにしか見えないフォーミュラも、背後にはそんな“人間くささ”がある。会場に行けば、そんな人間くさいレースについつい感情移入してしまうだろう。7月鈴鹿の次は第6戦ツインリンクもてぎ。関東からは好アクセスのサーキットに、ぜひ足を運んでみてほしい。

2レース制では、レース中のこんなピットワークは見られなくなる。がしかし、それ以外の部分の人間くささを感じることができるはず(写真は昨年のレースのもの)

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第5戦 鈴鹿ラウンド
 世界でも有数のテクニカルコース、鈴鹿サーキットが第5戦の舞台。見どころは、トリッキーなS字、第1、第2コーナーなど、テクニックの差が表れやすいところだ。特にS字は「性格の差が出る」とドライバーなら誰しもが認めるところ。そんなところでレースの醍醐味を味わいたい。【開催日】7月12日(土)予選/13日(日)決勝
【J SPORTS放送予定】13日(日)12時〜17時30分(決勝)Live中継5時間たっぷり「夏のフォーミュラ祭」開催! www.jsports.co.jp


INTERVIEW
常勝の“勝利職人”
― 松田次生(LAWSON TEAM IMPUL)

レースでは“人”を見よう

 2レース制になるとドライバーは大変なんじゃないだろうか? そう訪ねると、「いや、全然。2回レースやるほうがラクですよ」。帝王・松田次生は笑って言った。「肉体的には2時間乗っているほうがはるかにキツイ。それに、2回スタートを見られるというのは観客にとってはすごい楽しみになるんじゃないでしょうか」。

 レースの観客、視聴者の楽しみを忘れないあたり、さすがである。今季のレースは開幕からポール・トゥ・ウィンの3連勝。6月の岡山ラウンドでは、ポールポジションを取りながら惜しくもリタイアに泣いたものの、ポイントランキングではぶっちぎりの独走態勢に入っている松田。既に王者の風格を身にまといつつある。

「1回目のスタートでは、予選で最速だった選手がポールポジションから逃げていく。でも2回目のレースでは、1回目でトップだった選手が8位からスタートするわけですから、今度は追い上げていくシーンを見られるわけです。これだと速い選手は目立っていいですよね」

 また、「レースは人間くさい」と話す彼にとって、2レース制でさらに“人間”を見ることができるレースになるという。

「レース中のタイヤ交換がなくなりますけど、その分、スタート前のメカニックにかかる負担は大きくなります。そのときメカニック、監督がどういう表情でいるのか。今までとは違った顔を見ることができると思います。テレビの中継だと、そういうドライバー以外の人間くさい部分も見られるでしょうね。そしてもちろんドライバーにも注目してほしい。僕もイベントのときと、スタート直前とでは雰囲気が全然違う。スイッチの入った姿を見てほしいですね」

 フォーミュラ・ニッポン初心者に向けて見どころを分かりやすく解説する松田。では、彼自身、今後のレースにどう挑む?

「僕はポールポジションにこだわりがある。レースウイークで一番速い選手がポールを取る最速の選手だと思うから。だから(次の鈴鹿では)5戦連続ポールを狙います。記録には執着していきますよ」

Result
[第1戦富士スピードウェイ]予選総合:1位/決勝:1位 [第2戦 鈴鹿サーキット]予選総合:1位/決勝:1位 [第3戦 ツインリンクもてぎ]予選総合:1位/決勝:1位 [第4戦 岡山国際サーキット]予選総合:1位/決勝:リタイア
※6月30日現在総合49ポイントでランキングトップ

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第6戦 もてぎラウンド
【自動車の場合】●東北自動車道宇都宮ICから県道69号線/鹿沼ICから国道4号、県道123号/北関東自動車道真岡ICから国道4号、県道123号/常磐自動車道水戸ICから県道52号、51号【電車の場合】●JR水戸駅JR宇都宮駅、水戸駅からはツインリンクもてぎ行きバス ※詳しくはhttp://www.twinring.jp/へ
 オーバルコースも併設し、いかにもサーキットらしい姿のツインリンクもてぎは、伸びやかなレースを楽しめるコース形状。もっともその特徴を表しているのがダウンストレートだ。全開からのブレーキング勝負は、ドライバーの性格というよりも度胸がよく見えてくる。帝王・松田も「このダウンストレートのさばきが一番の見どころ」と太鼓判。また、90°コーナーなども見応えアリ。
【開催日時】8月9日(土)予選/10日(日)決勝


INTERVIEW
若き孤高の“走鬼”
― 伊沢拓也(AUTOBACS RACING TEAM AGURI)

攻めの走りがサーキットを熱くする!

 鈴鹿レーシングスクール・フォーミュラからフォーミュラ・ドリーム、全日本F3。そして2008年、フォーミュラ・ニッポンへと、日本最高峰のレースへと登りつめた若きドライバー伊沢拓也選手。見る者を魅了するアグレッシブな走りが、今年のフォーミュラ・ニッポンの台風の目となり、ルーキーのなかでも特に注目を集めている。趣味は少ないと語る伊沢選手だが、最近はゴルフを楽しんでいるとのこと。「ゴルフは、やっていると言えるほどのレベルではないですけど。レース関係者の方とはいっしょには行きません。特にドライバーは結構飛ばすんですよ。みんな上手いので、いっしょだと崩れやすいんですよ。去年はフットサルをよくしていましたが、今年は忙しくてあまり行っていませんね」

 第1戦 (富士スピードウェイ)から第4戦(岡山国際サーキット)まで走り抜けた時点で、ポイントラインキング6位につける。特に第3戦 ツインリンクもてぎで4位、第4戦岡山国際サーキットで5位の戦績で、後半戦は表彰台が期待されているのだ。

「いままで4戦を戦ってきましたが、予選では富士スピードウェイの2位が印象的ですね。フォーミュラ・ニッポンは、エンジンの差が少ないんです。細かいセッティングの違いがタイムにつながるのですが、富士スピードウェイでは完璧なタイムアタックができました」

 そんな伊沢選手に第5戦 鈴鹿サーキット、第6戦 ツインリンクもてぎでの観戦のポイントを聞くと、「鈴鹿サーキットはオーバーテイクしやすいコースなんです。第2戦でもコース上でのオーバーテイク、バトルがふんだんに見られたので、第5戦もそのような戦いになると思います。ドライバーの個性を見たいのならS字が一番分かりやすいですね。それぞれ走行するラインが違いますし、いろんな走り方ができるんです。S字はリズムが大事なんです。1つ目のコーナーを失敗したら、S字はすべてダメですね。だからといって、1つ目をゆっくり走るとタイムが出ません。一方、ツインリンクもてぎは、ダウンヒルです。一番迫力がある走りが見られます。また、もてぎはブレーキングが難しいコースなんです。ダウンヒルは一番頑張りがいがあるところです」とのこと。

 コースだけでなく、レース全体についても見所を教えてくれた。「レースのときよりも予選が見ごたえがある場合が多いですね。レースになると、燃料を積んでいて、タイヤの状況も気にしながら走らないといけないんです。しかし、予選では、飛び出すか飛び出さないかのギリギリのところを攻めているので、予選も見逃せません。今年からノックダウン方式になっているので、ドライバーもピットも緊張感がいっぱいのところが楽しめます」。

 後半戦も始まって、バトルがさらに過激になりそうなフォーミュラ・ニッポン。もちろん目指すは優勝だ。「差が少ないマシンを使っているため、誰にでもチャンスがあるんです。次の鈴鹿サーキットでは表彰台を狙いたいですね。もちろん目標は優勝です」

 常に攻めの走りをしているという伊沢選手。ライバルはフォーミュラ・ニッポンのドライバー全員。その中でも松田次生選手、同じホンダだと小暮卓史選手には負けたくないという。「コース上では常に攻め続けたいですね。見に来てもらえれば、フォーミュラ・ニッポンの面白さが伝わると思います。そういう走り方をしているつもりです。なので、ぜひとも、実際にサーキットまで見に来ていただきたいですね」

富士スピードウェイでの今季初戦、伊沢は決勝こそ41周でリタイアしたものの、予選総合では帝王に次ぐ2位につけ、周囲を驚かせた

Result
[第1戦富士スピードウェイ]予選総合:2位/決勝:リタイア [第2戦 鈴鹿サーキット]予選総合:16位/決勝:9位 [第3戦 ツインリンクもてぎ]予選総合:5位/決勝:4位 [第4戦 岡山国際サーキット]予選総合:17位/決勝:5位
※6月30日現在総合16ポイントでランキング6位

家族でフォーミュラを楽しもう

『フォーミュラカーを学ぼう』
『コチラレーシングのKIDSピットウォーク』
 小中学生、フォーミュラ初心者にオススメしたいのが、夏のもてぎで開催される『フォーミュラカーを学ぼう』だ。CSフジのF1解説者、小倉茂徳氏を講師に迎え、フォーミュラカーの歴史から、基礎的な技術などを理解してもらう。フォーミュラカーの速さのヒミツ、ドライバーの苦労などを初心者にも分かりやすく教えてくれる“オグタン”のトークで、あなたもフォーミュラ通になること間違いなしだ(8月9、10日に開催予定)。また、家族でサーキットに出かけるなら、「コチラレーシングのKIDSピットウォーク」もオススメだ。レースの全セッション終了後、コチラやバットと一緒にピットを巡ってみよう(8月9日に開催予定)。※問い合わせ ツインリンクもてぎ:0285-64-0001


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