
vol.373
防災の日特別企画
あらゆる災害から東京を守れ! 首都防災
9月1日に込められた思い
昭和35年6月11日の閣議で9月1日が防災の日と決まった。9月1日は大正12年に関東大震災(死者6万420人、行方不明3万6634人、傷者3万1051人)が発生。しかも、暦では二百十日で台風シーズンを迎える時期。創設前年となる昭和34年9月26日の「伊勢湾台風」では、戦後最大の被害(全半壊・流失家屋15万3893戸、浸水家屋36万3611戸、死者4700人、行方不明401人、傷者3万8917人)を被った。官報資料には「政府、地方公共団体など関係諸機関はもとより、広く国民の一人一人が台風、高潮、津波、地震などの災害について、認識を深め、これに対処する心がまえを準備しようというのが、『防災の日』創設のねらいである」と記載されている。この機会に防災意識を高めよう。
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昨年行われた総合防災訓。各機関が連携して実践的な訓練を行った |
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災害に迅速に対応する東京都の危機管理体制
東京都では、東京都防災ホームページで、防災に関するさまざまな情報を発信している。この中には、個人でもできることが紹介されている。たとえば、家の周辺の安全チェックとして、瓦やアンテナの補強、ブロック塀の強度や植木などの転倒の可能性の確認などだ。家具などの転倒防止も必要。安全な避難場所や避難経路のチェックも重要だ。災害発生時には生きていくために必要なものがすぐに供給されない事態が発生する。飲料水(1人1日3リットル)や食料などは最低3日分は用意しておくとよい。日中に災害が発生した場合、家まで帰宅できない可能性が高い。東京都防災ホームページには防災マップも掲載されているので、仕事場から自宅まで、避難場所や医療機関、帰宅支援ステーションや帰宅支援対象道路を確認しておこう。
東京都では災害発生時に迅速に対応できるように、防災センターを都庁内に設置している。緊急事態の場合には、各防災機関から情報を収集・分析し、知事へ伝達。その情報を元に、知事は東京都災害対策本部の設置を決定する。東京都災害対策本部は被災地の被害軽減、住民生活の安定に努めるのだ。
防災センターは、関東大震災と同程度の揺れにも耐えられるように設計され、停電時でも自家発電装置で備蓄燃料を使って3日間機能可能。燃料さえ確保できれば、さらに継続的に利用できる。夜間や休日でも徒歩30分以内に約200戸の災害対策職員住宅を設置しているため、すぐに対応可能なのだ。平成12年には、三宅島火山噴火災害で東京都災害対策本部が設置された実績を持っている。
東京都では、地震や火山などの自然災害だけでなく、外国からの武力攻撃や大規模テロも想定。あらゆる取り組みを進めている。
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六本木ヒルズ内に設置されている備蓄倉庫。食料品や飲料水だけでなく、ポリ袋や簡易トイレも用意されているのだ |
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地下水をポンプでくみ上げることで水も確保。非常時には生活用水となるほか、消防用水としても利用されることになる |
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けやき坂コンプレックス屋上にある緑地。この重さを利用して地震の揺れをコントロールする制震構造を作り出している |
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井戸からくみ上げた水をろ過するための装置。井戸からの水は濁っているが、ろ過装置を通すことで飲料にも耐えられる水になる |
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逃げ込める街をめざした六本木ヒルズ
東京都だけでない防災対策。ここで紹介したいのは六本木ヒルズの防災への取り組みだ。六本木ヒルズを運営する森ビルでは、「逃げ出す街から逃げ込める街」をコンセプトに、防災対策を進めている。そのひとつが、震災備品の備蓄。非常用食料、飲料水、医薬品、生活用品、工具などをあらかじめ用意。水、乾パン、非常用ライス、缶詰などの非常用食料は約20万食と民間企業では最大規模の備蓄を行っている。さらに災害用井戸を設置。六本木ヒルズでは地下80mからポンプで水をくみ上げられるようにしているのだ。停電の場合は自家発電でカバーできる。飲料水は備蓄倉庫に用意しているため、主に生活用水として使用することになる。ただし、ろ過装置もあるため、いざというときには飲料水としても使用できるのだ。
さらに、耐震性に優れた設計も実施。六本木ヒルズでは、耐震設備を建物内に設置するだけでなく、けやき坂コンプレックス(映画館が入っている建物)には、屋上にある程度の重さを持つ緑地を置くことで、地震のときの揺れを軽減させている。また、定期的に全社員が参加する総合震災訓練を実施することで、ビル機能の早期回復を重点に置いた活動訓練が体験できるようになっているのだ。これにより、災害に強い街を作るとともに、周辺地域にも貢献できる防災拠点作りを進めている。
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子どものころから防災意識を育てる −六本木ヒルズの取り組み−
森ビルでは小学生を対象とした「六本木ヒルズの安全の“ヒミツ”探検ツアー」を開催した。これは六本木ヒルズの主要な災害対策施設の見学、体験を行い、防災についての意識を高めるツアーだ。実際に、起震車による地震の体験、消火器の操作方法の実践、震災井戸や備蓄倉庫などを見学。最後に非常食の試食も行い、好評のうちにツアーが終了した。森ビルでは、以前から小学生を対象としたイベントを実施しているが、災害対策については初めてという。今後も、このような取り組みを進めていきたいとしていた |