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かつて“メイド・イン・ジャパン”を世界に知らしめたもののひとつにプレス技術がある。下町の小さな工場で生み出された繊細なプレス加工品は世界に認められ、やがて昭和の高度経済成長を支えるに至る。その高度な技術を連綿と守り続け、今なお世界に発信し続ける企業がある。 ――日本で唯一の高級ライターブランド「SAROME(サロメ)」を擁する株式会社サロメである。高い技術で生み出される繊細なフォルムのライターは主にヨーロッパで高く評価されている。そのライター作りの根幹がプレス技術だ。 「プレス技術のポイントは、型設置、穴開け工程や抜き工法、そして仕上げにまで及びます」
「亜鉛ダイキャストやプラスチック成型だと数は作れますが仕上がりの手触りが全然違う。手になじんで、長く使ってもらいたい。だから手作りなんです」 製造工程上の許容誤差はわずか0.05ミリメートル。人間の目では区別できないわずかな差を、職人さんたちの目と手は見逃さない。簡単に言うと、型を作り、真鍮(しんちゅう)の板を型に合わせて伸ばしていくという作業工程。ここで正確な型を作れるかどうかが職人さんの腕の見せ所だ。そして、その型に合わせて、金属板を“なます”=やわらかくし、“絞る”=薄く伸ばしていく、という作業を繰り返し、ライターの部品の形に成型していくのだ。このなましと絞りも職人の腕の見せ所。20年で一人前といわれる職人の世界だ。 「いいものを作りたい、それしかないんです。どんなに高級でもライターは所せんは嗜好品。不合理の極致ですよ。だからこそ、どうでもよさそうに見える細かいところへのこだわりを積み重ねて、手になじんで、長く使いたくなるものを作りたい。そういうものは、分かる人には分かってもらえる。見る目のある人には気に入っていただける自信があります」 ちょっと凝ったライターを、と思う人は、ぜひともサロメのライターを見てみてほしい。
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