vol.373 0000年 00月 00日  更新

不滅の職人魂。
――国内唯一の高級ライターメーカー・株式会社サロメ

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プレス機に設置された「型」(画面中央右)と“絞られた”部品。その奥では、同じくプレス機を使って、職人さんが刻印を行っている。型さえ変えれば、さまざまな作業ができるのがプレス機の特徴だ
高度経済成長を支えた日本の高い技術力を、今なお連綿と受け継ぐ株式会社サロメ。「嗜好品はまったくもって無駄なもの」。だからこそ、分かる人には分かるこだわりの名品を生み出してきた。その、技術を守り続ける職人魂が詰まった工場を見学!

  かつて“メイド・イン・ジャパン”を世界に知らしめたもののひとつにプレス技術がある。下町の小さな工場で生み出された繊細なプレス加工品は世界に認められ、やがて昭和の高度経済成長を支えるに至る。その高度な技術を連綿と守り続け、今なお世界に発信し続ける企業がある。

  ――日本で唯一の高級ライターブランド「SAROME(サロメ)」を擁する株式会社サロメである。高い技術で生み出される繊細なフォルムのライターは主にヨーロッパで高く評価されている。そのライター作りの根幹がプレス技術だ。

「プレス技術のポイントは、型設置、穴開け工程や抜き工法、そして仕上げにまで及びます」

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火口のパーツを組み合わせる作業場風景。足踏みの機械でソッと押し込む
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製造工程の最終ライン、組み立て。本当に手で一個一個作り上げているんです!
    と工程を説明してくれるのは、創業者から3代目の瀬川創一さん(専務取締役)。製造工程のすべてが職人さんたちの手作業だ。

「亜鉛ダイキャストやプラスチック成型だと数は作れますが仕上がりの手触りが全然違う。手になじんで、長く使ってもらいたい。だから手作りなんです」

  製造工程上の許容誤差はわずか0.05ミリメートル。人間の目では区別できないわずかな差を、職人さんたちの目と手は見逃さない。簡単に言うと、型を作り、真鍮(しんちゅう)の板を型に合わせて伸ばしていくという作業工程。ここで正確な型を作れるかどうかが職人さんの腕の見せ所だ。そして、その型に合わせて、金属板を“なます”=やわらかくし、“絞る”=薄く伸ばしていく、という作業を繰り返し、ライターの部品の形に成型していくのだ。このなましと絞りも職人の腕の見せ所。20年で一人前といわれる職人の世界だ。

「いいものを作りたい、それしかないんです。どんなに高級でもライターは所せんは嗜好品。不合理の極致ですよ。だからこそ、どうでもよさそうに見える細かいところへのこだわりを積み重ねて、手になじんで、長く使いたくなるものを作りたい。そういうものは、分かる人には分かってもらえる。見る目のある人には気に入っていただける自信があります」

  ちょっと凝ったライターを、と思う人は、ぜひともサロメのライターを見てみてほしい。


p_tokyo02-3.jpg 三代目となる瀬川創一さん
http://www.sarome.co.jp
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【写真左】アワビ貝を使ったSV3シリーズのSV3-10(84 00円)
【写真中】伝統技術が詰まった「URUSHI」シリーズは独特の優しい手触り(PS D12SS-07、3万3600円)
【写真右】シリーズの最高峰、PSD12SS-01。シルバー925仕上げ(10万2900円)

p_tokyo02-4.jpg なまし→絞りを繰り返すことで、写真左のように段階を追って成型されていく(左上から、右、下の順)。この作業を正確に行うために必要なのが「型設置」という作業。通常、企画設計が固まり型を起こし始めるが、型が決定するまでに短くても1年かかるという。かつては「焼き」を入れる前のやわらかい金属で型の原型を作り、最後に焼き入れをしていたが、今は焼き入れ後の鋼材をそのまま加工して型を作り上げていく。焼き入れ後の加工には特殊な工作機械が使われる。写真右上は「放電機械」と呼ばれる切削機械。電極から放電される電気の力で金属を削る。引火しないよう燃えない切削油のプールの中で作業する。写真右下はNCフライスを使った作業

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