米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標をこれまでの年1.0%から、米史上最低となる0〜0.25%に引き下げることを全会一致で決定、即日実施した。深刻な景気後退が続き、事実上のゼロ金利政策に移行、今後は金融市場への資金供給量に着目する量的緩和政策の導入も検討する。
米国の利下げは2007年9月以来10回目。FF金利は日銀無担保コール翌日物の誘導目標(年0.3%)を下回り、1993年2月以来、約16年ぶりに日米の政策金利が逆転した。FRBが量的緩和政策の導入も視野に超金融緩和政策にかじを切ったのは、景気の底がまったく見えない状況が続いているからだ。
低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題が本格化した昨年9月以降、FF金利の下げ幅は今回も含め5%に上る。だが、今年9月に米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻した後、米経済は急速に失速し、11月の非農業部門就業者数は34年ぶりの大幅減を記録。16日に商務省が発表した11月の住宅着工件数も史上最低水準を記録した。
FRBはこの日、FOMC終了後の声明で「景気の先行き見通しは一段と弱まった」と指摘。そのうえで「持続可能な経済成長の回復と価格安定を維持するため、あらゆる有効な手段をとる」と強調し、量的緩和策への移行をにじませた。
量的緩和は、市場に大量の資金を供給することを目指し、国債買い入れなどを通じて、市場に供給する資金量を目標に掲げる。日銀もバブル崩壊後の景気の長期低迷に対処するため2001年3月から約5年間、採用したことがある。
ただ、すでに米経済は「金融政策だけで危機を克服できる状況ではない」(大手銀エコノミスト)との見方は強い。オバマ次期政権が着手する大型景気対策とどう連携するかが、行方を左右する。