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vol.454 0000年 00月 00日 更新
記念すべき第一回目は、作詞家、プランナー、プロデューサーとして、マルチな活躍をしている秋元康氏。『僕と地球を繋ぐ森』のサポートメンバーでもある。「僕たちは、暫くの間、地球に間借りしているだけなんです。誕生から46億年も経っている地球に、人類が生まれたのは、ほんの少し前のことですから。森を中心とする生態系を壊してはいけませんよね?」と、問題提起をする。
「『僕と地球を繋ぐ森』では、間伐材を使ったマイ箸を推奨していますが、そこには大きな意味があります。森から木を間引くだけでなく、伐採した木を有効的に使おうということです。マイ箸を持っていると、『なぜ?』と聞かれるでしょう? その時に、みんなが説明できます。森は、鬱蒼と茂っているだけでは、すべての木に太陽の光が当たらず、間伐することが必要だと…。しかも、伐採しただけでは、倒れた木が腐って余計にCO2を排出することになるそうです。そのことを世間話のひとつとして伝えられることが大切なんですね」と、さすが、ヒットプロデューサーの秋元氏。
さらにメッセージの伝え方まで考えている。「こういうプロジェクトって、多くの人は興味を持ってくれないじゃないですか? メッセージしたいことだけを、いくら声高に話しても流されてしまうんですね。ニンジンが嫌いな子どもに、“ニンジンがいかに身体にいいか”を説明しても、食わず嫌いは直りません。だから、ニンジンをすりおろして、りんごジュースの中に混ぜるんです。このりんごジュースが人々の興味、つまり“エンターテインメント”です。堅い言葉で書かれているより、漫画仕立てになっているほうが読みやすいでしょう? あるいは、大学教授が語るより、AKB48のようなアイドルグループが語るほうが、みんな耳を傾けてくれるでしょう? メッセージを伝えるには敷居が低くなければいけません」と伝えたいことを伝える手段を教えてくれた。だから、マイ箸のような、“きっかけ”が必要なのだと言う。「メッセージする時は、『北風と太陽』の童話を思い出します。旅人のコートを脱がせようと、北風がどんなに強く吹いても、旅人は余計にコートの襟を合わせ、飛ばされないようにしたでしょう? ところが、太陽がポカポカすれば、暑くなってコートを脱いだというアレです。CO2の話をどんなに一生懸命説明するより、マイ箸に興味を持ってくれたほうが、自主的に話を聞いてくれるようになるんです」
環境問題は、ニンジンなのだろうか? 「みんな、その重要性、“ニンジンがいかに身体にいいか”は、薄々、分かっているんです。だから、マイ箸という“きっかけ”を与え、CO2への危機意識がドミノ倒しのように広がって行けばいいんですよね。未来の子どもたちに借りているこの森をちゃんと返せるように、僕たちは、そのドミノのひとつになりましょう。マイ箸とその考え方をバトンを手渡すように、次の世代に伝えたいですね」
秋元 康(あきもとやすし) 作詞家。高校時代から放送作家として頭角を現し、数々の番組構成を手がける。1983年以降、作詞家として、美空ひばり『川の流れのように』をはじめ、EXILE『EXIT』、ジェロ『海雪』(第41回日本作詩大賞受賞)など数多くのヒット曲を生む。2005年、京都造形芸術大学教授就任。2007年、同大学副学長就任。2009年、第51回日本レコード大賞・特別賞をAKB48とともに受賞。2010年、第5回渡辺晋賞を受賞。TV番組の企画構成、映画の企画・原作、新聞・雑誌の連載など、多岐にわたり活躍中。アイドルグループ“AKB48”“SKE48”“SDN48”の総合プロデューサーも務める。著書に、小説『象の背中』(扶桑社)、『企画脳』(PHP文庫)ほか多数。
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