ジュンスカ×ユニコーン 武道館揺らす

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 2012年の完全復活を宣言をしたJUN SKY WALKER(S)(以降ジュンスカ)のベーシストで音楽プロデューサーの寺岡呼人が主催する、音楽イベント「Golden Circle Vol.16“ジュンスカ×ユニコーン”」が25、26日の2日間、日本武道館で行われた。ジュンスカとユニコーンという第二次バンドブームを象徴する2バンドが共演。さらに、彼らが師と仰ぐ子供ばんども加わり、ロックと情熱とエンターテイメント性にあふれるステージを展開。満員の武道館をびりびりと振動させた。

 オープニングアクトのOKAMOTO’Sがノリのいいロックチューンで会場を温めると、ジュンスカが登場。代表曲の1つ『歩いていこう』でキックオフした。前日、ボーカルの宮田和弥のMCが長すぎたため予定が押したそうで、宮田は「昨日はしゃべりすぎたんでさっさと行きます。40すぎたのでみんなに迷惑はかけられない」と歌うようにMCし、『START』『休みの日』をプレー。ユニコーンの阿部義晴と奥田民生も参加した『すてきな夜空』ではお祭りムードが占拠したが、2012年に完全復活宣言をしたことで「新しい曲でも戦っていきたい。2012年完全復活の僕らの夜明けの歌になる!」と新曲『シンフォニー』も披露。壮大なロックバラードで、リミットレスかつ美しい世界観に、オーディエンスはどっぷりと浸かった。ラストは『MY GENERATION』と、トレードマークの高いジャンプで締めくくった。

  寺岡が「再結成をポジティブなイメージに変えてくれました」と呼び込まれたのはユニコーン。「お願いしまーす」と挨拶すると、『頼みたいぜ』でセットをスタート。『WAO!』『さらばビッチ』『HELLO』と再始動以降に生まれた代表曲で畳み掛けた。『SAMURAI 5』では、奥田の「SKYを呼びましょう」となじみのない呼び方でジュンスカを呼び込むと、いそいそとメンバーが登場。再び話し始めた宮田に対し、ユニコーン側から「まだしゃべりたりないんだろっ!」と愛ある突っ込みが入るなど、ステージの上でも下でも笑い声が聞こえる展開に。もともとユーモアたっぷりの見せ方をする曲で、奥田は「ツアーでもこんなのやってたんですけど、今日が一番面白かった」と笑って、“SKY”のメンバーを送り出した。ラストは、代表曲『大迷惑』。武道館が揺れるほどの大合唱だった。

  最後に登場したのは、今年4月に再始動した子供ばんど。ライブにこだわって活動するロックバンドのスタイルを作り出した彼らは、ジュンスカやユニコーンが敬意を払う存在で、うじきつよしは「すごい後輩を持ったもんだぜ」と、マイクに噛み付くように歌い語り。『ロックンロール・トゥナイト』『踊ろじゃないか』では、ジュンスカとユニコーンのメンバーも参加した。

  アンコールでは、寺岡がこの日のために書き下ろした新曲『ROCK’N ROLL TRAIN』、さらにこの日参加したバンドメンバー全員が勢ぞろい。ギター10名、ベース4名、ドラム3名の体制の『サマータイムブルース』でフィナーレを迎えた。前日よりも演奏時間は短かったかもしれないが、密度の高いイベントに会場を後にするオーディエンスはみな満足げな表情を浮かべていた。

  『Golden Circle』は、世代をつなぐかたちで音楽やミュージシャンを紹介するイベント。今回は通算16回目の開催で、初めて出演者がすべてバンドという構成で展開した。

  ライブの模様は、BSスカパー! Ch.241などでオンエア。放送日時は12月25日午後8時30分から。