宜野湾市長選で沖縄防衛局長が親族リスト作成指示

 沖縄防衛局が米軍普天間飛行場がある沖縄県宜野湾市長選に向け、職員に有権者の親族がいるかどうかを調べてリストを作成するようメールで指示していたことが31日分かった。真部朗(まなべ・ろう)局長が該当職員らに「講話」を実施していたことも判明。同日の衆院予算委員会で共産党の赤嶺政賢氏の指摘により発覚したもの。

 防衛省は31日、課長級職員2人を現地に派遣し、真部氏から事情聴取したところ事実関係を大筋で認めた。

 真部氏は31日夜、「多くの方々にご迷惑をお掛けし反省している。防衛省が事実認定と評価をする。それに従う」と語った。

 防衛省関係者によると、真部氏は講話で「選挙参加は呼びかけたが、特定候補の支援要請はしていない」というが、公職選挙法(公務員の地位利用)や自衛隊法(政治的行為の制限)に抵触する恐れもある。

 赤嶺氏によると沖縄防衛局総務課人事係は1月4日午後、「各部庶務担当者」宛てに宜野湾市に住む職員や選挙権がある親族のリスト提出をメールで要請。同18日のメールでは宜野湾市在住の職員と選挙権を有する親族がいる職員を対象に同23、24両日に真部氏による「講話」を実施することを明記し「必ず聴講するよう、別添『聴講者リスト』の職員に通知願います」と要請していた。

 防衛省は1日の予算委理事会に真部氏らへの聴取結果を報告、メールは「実在が確認された」と認めた。講話は真部氏の発案で1月23、24両日にそれぞれ10分程度実施。同市在住の職員や選挙権を有する親族がいる職員を調べ80人を抽出、70人近くが参加した。講話の録音テープなどは確認されなかったが「特定候補を支持する内容は確認されなかった」という。真部氏が過去に普天間移設先の同県名護市の選挙でも同様の講話をしていたことも明らかになった。

 真部氏は2日午後に行われた衆院予算委員会に参考人として出席した。

 宜野湾市長選は2月12日に投開票される。