鈴木寛の政策のツボ 第十六回

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五輪招致でニッポン復活!

 5月23日、IOC(国際オリンピック委員会)理事会により東京が2020年の夏期オリンピック・パラリンピック大会候補都市として一次選考を通過しました。同じく選定されたスペインのマドリード、トルコのイスタンブールと来年9月の最終選考に向けて競うことになります。  2016年夏期オリンピック・パラリンピック招致に東京が他の都市に惜しくも敗れたことはみなさんのご記憶にも新しいと思います。前回の反省を生かし、今回は招致委員会の組織、超党派の招致議連、国会での招致決議など、政府による支援の速やかさが高く評価されました。昨年成立したスポーツ基本法、国立競技場の建て替えもこれを後押しする結果となりました。招致委員会の評議員の一人として大変うれしく思います。  しかし最終選考に勝ち残るにはいくつか課題もあります。一つは昨年の震災に端を発するエネルギー不安や地震への不安です。「開催に伴い増える電力消費量は都全体の0.1%程度」と東京都は説明していますが、政府によるエネルギー基本計画の取りまとめを慎重に進めていくことが求められています。  また、招致に対する市民の支持率が低いことも懸念です。IOCによる都市の世論調査の結果、東京の支持率は47%でした。他の候補都市は70%以上の市民の支持率があり、大きく水を空けられています。都民、国民のみなさまにご協力いただくために、招致の目的をきちんと伝えていく努力が求められています。  今回のテーマである「ニッポン復活」は、まさに全国民が手を取り合って目指すべきものです。大変心強いことに、EXILEの皆さんが招致の主旨に深く賛同し、今年3月より無償協力でキャンペーンキャラクターを務めてくださっています。オリンピック・パラリンピックの開催がニッポン復活の明るい兆しになるよう、これからも招致の準備を進めていきます。