ついに来たぞ! 運命の日。

2020年オリンピック・パラリンピック開催都市が9月7日(日本時間8日)に決定

 2020年のオリンピック・パラリンピックの開催都市がついに決定する。7日、アルゼンチンのブエノスアイレスで国際オリンピック委員会(IOC)総会が開かれ、最終候補都市であるトルコ・イスタンブール、スペイン・マドリッド、そして東京の最終プレゼンテーションを経て、決定が下される。すでに招致委員会の主要メンバーを始め、オリンピアンら多くのアンバサダーは現地入り。最後の一押しをするために奔走している。開催都市が判明するのは日本時間8日朝5時から行われるセレモニー。果たして「2020年東京」のアナウンスを聞けるか。

勝利のカギは「チーム日本」の結束力にアリ
59911.jpg

 2020年夏季五輪の東京招致に向けた出陣式が23日夜、都庁で開催された。

 出陣式には招致委員会会長の猪瀬直樹都知事のほか、竹田恒和招致委員会理事長らが参加した。

 午後5時30分の開始時間に先駆け、出席者を出迎えるように都立深川高校の和太鼓部がオープニング演奏を披露する。

 そして冒頭、猪瀬知事が挨拶に立つ。「世界の平和のトップリーダーである日本の存在感を示せれば一番素晴らしい。あと15日を残すのみ。なんとしても招致を勝ち取りたい。チーム日本のみんなの力が招致を決めると思う。我々はプレゼンテーションを頑張ってきます。皆さんの応援の声がブエノスアイレスに届いてくれることをお願いいたします」

 続いては招致委員会評議会最高顧問の安倍晋三首相が「みんなが使命と責任を果たすことで、9月7日、ブエノスアイレスの会場に『2020年、東京』のアナウンスを響かせましょう。私もブエノスアイレスに行きます。ともに頑張りましょう」と気勢を上げた。

 華やかな雰囲気が続いた挨拶だったが、招致委員会評議会議長・副会長の森喜朗元首相が「選挙はまさに投票箱の鍵を開けるまで分からない。誰がどこに入れるかは分からない。ブエノスアイレスに行くみなさん。私もそうですが、ニコニコ笑って勝ったような顔をしていちゃいけない。まさか投票の翌日に(予定表に)祝勝会などと書いていないでしょうね。そういう言葉が一つでも出ているようでは心の緩みになるんです。そういうことを大事に考えて、最後までしっかりとこの運動を展開していただきたい」と引き締めた。

 そんな緊張した空気を緩ませたのが招致スペシャルアンバサダーのドラえもん。テーマ音楽の流れるなか登場したドラえもんは「頑張ってきてくださいね〜。僕もどこでもドアで現地に行きたいな〜。会場のみなさんも僕と一緒に最後まで応援しましょう」とブエノスアイレスへ向かうデレゲーションメンバーにエールを送った。

 そして招致委員会評議会副会長の川淵三郎日本サッカー協会最高顧問が「勝負はブエノスアイレスにあり。最後までひたむきにあきらめずに勝利を信じてベストを尽くしましょう。今日は東京オリンピックの招致の成功だけに乾杯したいと思います」と乾杯の音頭を取った。

 最後には竹田理事長が「なんとしてでもこのオリンピックを成功させなければいけない。9月7日、国民の皆さんの期待を胸に最後のプレゼンテーションの場に立っていきます。すべての力を振り絞り、チーム一体となって頑張ってまいります」と決意表明。招致議員連盟、招致推進本部の国会議員らがエールを送り出陣式を締めくくった。

 出陣式に先立って行われた会見では、ブエノスアイレスでのプレゼンテーションのメンバーが発表された。

 プレゼンテーションに立つのは、安倍首相のほか、猪瀬知事、招致委の竹田理事長、水野正人副理事長/専務理事、フェンシングの太田雄貴選手、パラリンピック陸上の佐藤真海選手、招致“Cool Tokyo”アンバサダーの滝川クリステルさんら。派遣される招致関係者は、計100人規模となる見通し。

 プレゼンテーションは9月7日午前9時(日本時間7日午後9時)開始。トルコ・イスタンブール、東京、スペイン・マドリードの順で行われ、質疑応答を含めた各都市の持ち時間は70分間。同日午後5時(同8日午前5時)から、開催都市が発表される。

フェアプレー精神で候補都市へグッドラック!

 2020年のオリンピック・パラリンピックの開催都市決定を7日に控え、東京での五輪開催への機運が高まっている。

 8月25日、東京だけでなく、最終候補都市のイスタンブール、マドリッドにもエールを送るイベント「〜ぼくらと空港が、夢をつなぐ〜オリンピック・パラリンピックを日本で!」が羽田空港整備場で行われた。このイベントは、スポーツのフェアプレー精神に乗っ取り、最後まで全力で招致活動に励むことの宣言と、開催都市が決まった後も変わらぬ友情で称え合おうという想いが込められたもの。整備場前に並べられた航空機の間に、約1200人で「ISTANBUL TOKYO MADRID GOOD LUCK TO ALL!」の人文字を作り、エールを送った。

 イベントには、北京とロンドンという2つのオリンピックに出場した競泳の入江陵介選手と、体操の白井健三選手も出席。入江選手は「4年に1度のオリンピックは、小さい時からテレビやいろんなところで見ていて、夢というか、すごく遠いものでした。でも努力し続けて、(今は自分が)出場できるものになりました。やはり(オリンピックは)特別なものだなって感じています」と、オリンピックへの想いを語った。一方、今年最年少で代表入りを果たした白井選手は「代表に入って、内村航平選手や加藤凌平選手といったロンドンオリンピックに出た選手たちと合宿をさせてもらって、技術や生活のことも教わって、今年はオリンピックに距離が近づけたって思っています」と、特別なオリンピックへの夢を膨らませていた。

この日は、招致機運をさらに盛り上げるために「MOST PEOPLE THROWING HATS SIMULTATEOUSLY」(一斉に帽子を投げ上げた人の数)のギネス世界記録にも挑戦。これまでの記録656人を大きく上回る1173人で新記録を達成。入江選手は「(開催都市が決定する)9月7日にはブエノスアイレスに行くことになっています。この勢いを持って日本の素晴らしさを伝えたい」と、笑顔を見せた。

眠れない!! テレビ各局は決定のその瞬間を生中継!

 2020年のオリンピック・パラリンピックの開催都市が決定するのは、9月7日。イスタンブール、東京、そしてマドリッドの各都市が最終プレゼンテーションを行い、それを受けてIOC委員が投票。その結果がセレモニーで発表される。セレモニーは、日本時間で翌8日の午前5時からスタートする。

 開催都市の発表が目前に迫り、テレビ各局も加熱している。フジテレビでは『すぽると!オールナイト〜2020オリンピック・パラリンピック開催都市決定SP!!〜』として、7日の25時43分から29時20分まで完全生中継。お台場のフジテレビにメインスタジオを置き、現地からの中継を含めて、土曜『すぽると!』の編集長・国分太一が決定の瞬間を伝える。国分は、「2020年のオリンピック・パラリンピック開催地が、東京に決まるように祈りながらMCをやらせていただきます!僕自身も、ロンドンオリンピックの取材を通して、オリンピックの素晴らしさを再認識しました。あの感動を、東京で、みなさんと味わいたいです!」と、意気込みのコメントを寄せる。

TBSもまた7日25時から、第125回IOC国際オリンピック総会の模様を含め、生中継する。

 日本中が眠れない夜になりそうだ。
招致祈願など都内で関連イベントも多数開催  運命の9月7日に向けて都内ではさまざまなイベントが開催されている。  開催都市決定は注目が高く、発表ののパブリックビューイングを含む、スポーツイベント「スポーツ博覧会・東京2013」(7〜8日、駒沢オリンピック公園総合運動場)は大人気。パブリックビューイングを含むライブイベントは申し込み制ですでに締切られた。  発表日まで残された日数が片手に収まるようになった今、新ためて五輪への想いを確認している人もいるかもしれない。今からでも招致に関連する運動に参加したいという人は、9月5日に芝の増上寺で行われる「“2020の願い”キャンドルナイト〜We believe TOKYO 2020〜」ヘ。このイベントは、東京での開催を熱望する市民ランナーたちが参加したイベント「“2020度参り”チャレンジラン」で、2020人のランナーがメッセージを記入したキャンドルで「WE BELIEVE TOKYO 2020」のキャンドルアートを描く。ヘブンアーティストによるパフォーマンスやコンサートも行われる。イベント観覧は無料で、誰でもできる。