“神の左”山中が7度目の防衛 さあ次の相手は誰なんだ!?

 世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級タイトルマッチ12回戦が22日、東京・代々木第二体育館で行われ、チャンピオンの山中慎介が挑戦者のスリヤン・ソールンビサイ(タイ)を3−0の判定で下し、7度目の防衛を果たした。

 山中はここまで世界戦5連続KO勝利を記録。この日、KO勝利を収めれば具志堅用高の持つ世界戦6連続KOに並ぶところだったのだが、対するスリヤンは同級1位で元WBC世界スーパーフライ級王者という強豪。おまけに過去43戦で一度もKO負けがないというタフな選手。

 スリヤンは序盤から積極的に前へ。変則的な動きも交え山中を翻弄する。山中の“神の左”を殺すべく、突っ込んで距離をつぶすスリヤンが前半4R終了時点の判定では有利に立った。中盤も同様の戦法で山中を惑わすスリヤン。しかし7R、ついに山中の左ストレートがスリヤンを捕らえダウンを奪う。8R終盤にも右アッパーからの左ストレートで2度目のダウンを奪うと、8R終了時点での判定では山中が大きくリードする展開に。打たれてもとにかく前に出るスリヤンから9Rにも左ボディーアッパーで、この日3度目のダウンを奪った山中。こうなると試合の焦点は山中のKO勝利なるか——に絞られたのだが、スリヤンはとにかくタフ。クリンチを多用し、その状態からパンチを放ち、チャンスをうかがう。距離を空けるべくスリヤンから離れようする山中のすきを突いて放たれたスリヤンの右ストレートで冷やりとする場面もあったが、結局114−110、116−108、115−109という大差の判定で山中が勝利を収めた。

 所属する帝拳ジムの本田明彦会長に「やってくれる相手がいないよ」と言わしめるほどの“絶対王者”となった山中。試合後のマイクでは「バンタム級で最強を示すために統一戦をしたい」と語り、その後出演したニュース番組では世界ボクシング機構(WBO)世界バンタム級王者・亀田和毅との対戦についても「盛り上がると思いますね」と語った。

 果たして統一戦は実現するのか…。