帰国会見で宮間があらためて「女子サッカーを文化に」

 サッカー女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会で準優勝した日本代表「なでしこジャパン」は7日、帰国。成田空港には約500人のファンが駆け付け、選手たちをねぎらった。

 帰国後、成田市内のホテルで行われた記者会見には日本サッカー協会の野田朱美女子委員長、佐々木則夫監督、宮間あやが出席した。

 佐々木監督は「決勝で大差はついたが、最後まで選手は頑張ってくれた。終了のホイッスルが鳴った時は悔しさもありましたが、よくここまでやってくれたというすがすがしさも正直ありました」と大会を振り返った。

 宮間は「結果は準優勝という、自分たちが目標としていたものに一歩届きませんでしたが、できる限りのことは、チーム全員でできたと思っています。チームはいったんバラバラになり、それぞれの場所での活動になりますが、女子サッカー発展のために、女子サッカー選手として頑張っていきたい」と挨拶。決勝については「その時にできる最良の判断だったり、最良のプレーを、全員でしたと思うので、そういった意味での後悔はありませんし、とにかく最後までチーム全員でやり切ったと思います」と振り返った。

 また決勝前日になでしこを「ブームではなく文化にしたい」と言っていた宮間は「2011年ワールドカップに優勝して以降、たくさんの方に興味や関心をもっていただいて、注目していただきながらも、日本国内の女子リーグでは、なかなか観客が増えない、また減ってしまっているような状況もありますし、大きな大会がある度に注目していただいているようには感じますが、私たち自身は、結果を残し続けなければ、皆さんがすぐに離れていってしまうのではないか、という不安を、選手としては抱えながら戦っています。なので、そういった不安を感じなくなったら、きっと、文化になったと言えるんじゃないかな、と思います」と語った。

 これからなでしこは休む間もなくリオ五輪を目指すことになる。佐々木監督は「まだリオの切符を手に入れたわけではなく、アジアからは2枠という非常に厳しいプレッシャーのかかる予選。世界での戦いで確認したなかでは、個の質と個の判断をもっと上げていかないと。それをグループにして、なでしこらしい連携の質というところのパワーがさらに上がる。だから個の質を上げる。一人ひとりの質を上げていくところが重要だと思います」と語った。宮間は「今回のなでしこジャパンに関しては数は少なくても充実した合宿であったり大会に挑ませていただいた。少ない時間でしたけれど、そういう時間や機会を設けてもらえたことが大きかったと思います。足りなかったことは、それとは裏腹になるのですが、もう少し一緒にいる時間や試合をこなせていたら、また違った経験ができて力になったのかなと思います」と代表強化について選手側からの考えを述べた。