SB30周年記念大会でシーザー武志が一夜限りの復活

 立ち技格闘技「シュートボクシング(SB)」の30周年記念大会『SHOOT BOXING 30th ANNIVERSARY“CAESAR TIME!”』が22日、東京・大田区総合体育館で開催された。
 メーンでは「SB世界スーパーライト級王座決定トーナメント決勝戦」が行われ、昨年の「S-cup 65kg」王者でSB世界スーパーライト級1位の鈴木博昭が決勝でオランダのクリス・バヤを破り、初代王者に輝いた。
 トーナメントには当初、昨年の「S-cup 65kg」準優勝のザカリア・ゾウガリー、K-1で野杁正明を破ったマサロ・グランダーが参戦予定だったが、ゾウガリーは交通事故、グランダーは契約問題で参戦不能になり、代わりにラファエル・ドゥーディックとバヤが参戦した。
 鈴木は直前の対戦相手変更にも動ずることなく、この2人を破っての優勝。
 ドゥーディックには1、3Rに投げでシュートポイントを奪うなど圧勝。決勝も勝負どころで連打でたたみかけ、投げでもシュートポイントを奪うなど、危なげない内容でその実力を見せつけた。
 シュートボクシングの創始者であるシーザー会長はこの日、エキシビジョンマッチでアンディ・サワーと対戦した。
 おなじみのテーマ曲が流れると、サワーも手拍子でシーザーを迎える。リングインするやサワーと抱き合い、四方に深々と頭を下げると会場は「会長―」コールが飛び交った。親交のある歌手・山本譲二の君が代斉唱を経て、試合が始まった。
 戦前「ローキックを3発は入れる」「サワーを本気にさせる」と話していたシーザーは公約通りにローキックから試合に入り、序盤に首投げでシュートポイント1を奪う。しかしサワーも“手加減は失礼”とばかりにパンチの連打で応戦。右フックを当てたシーザーだったが、足元がふらつき、ここでストップか?と会場をやきもきさせたが、終盤はノーガードでの打ち合いを見せ、残り10秒で渾身の右ストレートをサワーの顔面にヒットさせた。
 シーザー会長は試合後の会見で「若い選手たちに、こんなおっさんでも頑張っているんだから、もっとファンが食いつくような試合をしろよ!というメッセージが少しでも送れたらうれしい。そして僕ら世代の中年族の人たちが“まだまだ若い人たちには負けないぞ。会長も頑張っているんだから俺も頑張らないと”といった元気を出してくれれば、今日やった価値はある。そして最後にお世話になった人たちへのお礼。自分が表現できるのはあれ(戦い)しかない。心からのお礼の態度が伝われば。これが僕からのメッセージです」と話した。
 またこの日はシーザー会長の実子となる村田聖明もリングに上がり、聖王DATEと対戦し判定で勝利を収めた。
 シーザー会長は「すごい幸せです。こんなふうになるとは思っていなかった。この業界には入ってほしくないと思っていた。息子が“やりたい”と言ったとき、“やるからには親子じゃない。会長と練習生だよ”と言ったんですが、“それでもいい”ということだった。家でもジムでも自分でけじめをつけて一練習生としてやっている。そういう面では偉いと思うしうれしい。それで彼が何戦か戦っていくうちに、自分も本当に(リングに上がるのは)最後になるな、というときに一緒のリングに上がれたのは感無量です」と語り、うっすらと涙を浮かべた。

 シュートボクシングは打投極の戦いの幅が広いことから、歴史的に他競技からの参戦も多い。
 この日もキックボクシングの初代RISEスーパーライト級王者である吉本光志と修斗の第4代環太平洋ライト級王者である土屋大喜が参戦した。
 吉本の相手はSB東洋太平洋ウェルター級王者の宍戸大樹。SBに外敵が訪れた時に常に矢面に立ってきた男だ。
 宍戸は1Rから積極的に仕掛け、2R終盤には右アッパー4連発で吉本を追い込むが終盤、吉本は得意のヒザ蹴りでラッシュ。3Rでは決着がつかず、延長を2R重ねたが、最後に宍戸のヒザ蹴りで吉本が左目上から出血。ドクターストップで宍戸がTKO勝ちを収めた。
 土屋を迎え撃ったのはSB日本ライト級1位の新鋭・海人。修斗では打撃でも勝負できる土屋だが、やはり打撃では海人が上。果敢に打ち合う土屋だったが、1Rにカウンターの右フックでダウンを奪われる。投げに活路を見出した土屋は2Rには海人のパンチをかいくぐり、組み付くや反撃の防御の間も与えない一瞬の動きでフロントスープレックス気味に投げ捨てシュートポイント2を獲得。3Rには海人の右ハイキックをキャッチしキャプチュード気味に投げ捨てたがポイントにはならず、試合は延長へ。打撃の合間に投げも狙いなんとか勝機を探った土屋だったが、海人の打撃の前に決定機を作れず、2-0の判定で海人が勝利。シュートボクシングの牙城を守った。