サッカーW杯予選 ハリルジャパンが2連勝で反撃ののろし

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア2次予選で、日本代表は3日に埼玉スタジアム2002でカンボジア代表と対戦し、3−0で勝利を収めると、8日にはイラン・テヘランのアザディスタジアムでアフガニスタンに6−0で圧勝。2勝1分けの勝ち点7とし、E組で2位となった。

 6月のシンガポール戦でまさかのスコアレスドローとなり暗雲漂うスタートとなった日本代表。その後の東アジア杯でも勝利なしの最下位に終わり、ハリルホジッチ監督の采配にも疑問符がつけられる中で迎えた今回の2連戦だったがしっかりと結果を残した。

 しかしカンボジア戦の立ち上がりはやや硬さが見られ、チャンスは作るものの決められないという初戦を引きずった戦いとなる。前半18分に右サイドの展開からつながったパスを武藤が空振りした時には思わずハリルホジッチ監督もお手上げポーズを見せた。

 相変わらず引いて守る相手のゴールをこじ開けることができない。しかしこの窮地を救ったのはエースの本田。28分に相手のクリアボールを拾った山口が本田につなぐと、無回転のミドルシュート。GKの正面だったものの、手を弾いてボールはそのままゴールに吸い込まれた。

 やっと落ち着きを取り戻した日本。しかしチャンスは作るがゴールが決まらない展開は変わらない。42分にはゴール前、フリーでパスを受けた香川が放ったシュートはゴールではなく、なぜかGKのほうに力なく転がった。

 しかし後半5分に、DFの吉田が監督が口を酸っぱくして言い続けていたミドルシュートを決め追加点を上げると、16分には岡崎のシュートのこぼれ球を香川が押し込んで3−0とし、勝利を収めた。

 試合展開からすると3点というのは物足りない数字。ハリルホジッチ監督は試合後の会見で「チャンスをたくさん作ったが、3点しか取れなかったのは満足していない」としたものの、「シンガポール戦のあと、みんなが結果を飲み込めない状況だった。今年の夏はシンガポール戦の引き分けをひきずって過ごした。今日はスタッフ、サポーター全員がやり返した。絶対に勝たなければいけなかった。もっと点を取って勝つのが理想だが、今夜はネガティブにはならない。おめでとうと言いたい」とスタッフと選手をねぎらった。

 そして迎えた8日のアフガニスタン戦。アフガニスタンの政情不安により、中立地での試合となったが、実質的には「完全アウェー」。しかしアフガニスタンが過去2チームと違い、ゴール前を固めるシフトを取らなかったことから、得意の連動する動きで次々とゴールに迫る日本。開始10分で原口からパスを受けた香川が反転してのミドルシュートで先制すると、35分には森重のヘッドのこぼれ球を本田が執念で中に戻し、森重のゴールを呼ぶ。後半に入っても香川がカンボジア戦の失態を忘れさせるこの日2点目のゴールを決めると、この2戦いまいちアジャストしていなかった岡崎が立て続けに2得点で復活の兆しを見せる。そして最後は本田が2戦連続ゴールを決め6−0とし、圧勝した。試合後、ハリルホジッチ監督は「素晴らしい勝利だった。6点取るのは簡単ではない」と胸を張った。

 日本代表は次戦、10月8日にオマーンで現在E組の首位に立つシリアと対戦する。