VTJ 7th 中村にKO勝ちの川名が修斗世界王座挑戦をアピール

 総合格闘技イベント『VTJ 7th』(13日、千葉・舞浜アンフィシアター)では注目の日本人対決が多く組まれた。

 セミファイナルでは前田吉朗と征矢貴が対戦。前田はパンクラス・フェザー級とDEEPバンタム級の元王者。MMAも今回で50戦目の歴戦の強者。一方の征矢は2013年の修斗新人王決定トーナメントを3戦3勝3KOで優勝し、MVPを獲得した次代を担うファイターだ。

 前田は1Rからローキックと細かいパンチで先手を奪う。豪快なアッパーの空振りで征矢を牽制するなど百戦錬磨の動きを見せる。中盤には左フックでダウンを奪いラッシュをかけるなど、強打の征矢のお株を奪い、心理的にも有利な立場を取る。
 2Rになると征矢のパンチが当たり始め、タックルで押し込む場面も見られるようになる。しかし3Rは前田がタックルからグラウンドの展開に誘い込み、マウントからパウンド、スリーパー、肩固めと一本を狙いにいくが決めきれない。征矢は残り時間が少ない中、打撃で勝負に出るが、前田は間をとって攻撃を許さずタイムアップ。3-0の判定で前田が勝利を収めた。前田は大阪で行われたVTJ 6 thに続きVTJ2連勝となった。

 同じくベテランと新鋭という図式となったのが、中村大介vs川名雄生の一戦。

 中村はPRIDE武士道やDREAMといった国内のビッグイベントに出場経験もあり、DEEPのライト級王者に君臨したこともある実力者。川名はZSTでプロデビュー後、修斗で再デビュー。2013年の新人王で、今年7月には環太平洋ウェルター級王座に挑戦し、ドローに終わったが、無敗をキープ。いつベルトを巻いてもおかしくない存在だ。

 試合はタックルからテイクダウンを狙う川名に関節技を狙う中村という展開に。再三テイクダウンに成功する川名だが、中村は下からの関節技、首相撲からの膝蹴りなど随所で渋い攻撃を見せ、川名に主導権は渡さない。しかし一連の攻防でスタミナを削られた中村は徐々に動きが落ち始め、3R序盤にパンチを食らうと川名の追撃をさばききれず、最後はパウンドの連打を食らい、動きが止まったところでレフェリーが試合を止め、3R2分26秒KOで川名が勝利を収めた。

 川名はリング上で「KOで勝ったぞ。これで世界タイトルに挑戦してもいいでしょ」と修斗世界ウェルター級のベルトへの挑戦をアピールした。

 また9月27日に行われるUFC JAPANへの出場権をかけた「ROAD to UFC JAPAN」に抜擢され、決勝に残った石原夜叉坊と1回戦で互角の戦いを見せた安藤達也が坂口道場一族の佐藤将光と対戦。

 前半は安藤がタックルからのテイクダウン、パンチで優位に試合を進めたが、今回からバンタム級に階級を下げたことも影響してかスタミナが切れ始めたところ、佐藤が反撃。タックルで押し込んでから攻め手を欠く安藤に対し、打撃で好印象を与えた佐藤が2-1の微妙な判定ながら勝利を収めた。

 佐藤は試合後「修斗を主戦場にベルトを狙いたい」と表明した。佐藤は昨年10月のVTJで修斗の小田島恒太にTKO勝ち、今年5月には修斗のリングで土屋大喜にKO勝ちしている。