“こだわり”がハンパない作品 北九州芸術劇場プロデュース『しなやか見渡す穴は森は雨』

撮影:重松美佐

 北九州芸術劇場では2008年から「地域色豊かな作品を北九州から全国へ発信する」同劇場のプロデュース公演を展開している。


 演劇界の最前線で活躍する演劇人を北九州に招き、約1カ月間滞在してもらい、地元の役者・スタッフとともに作品を創作する。作られる作品は時代とともに変わりゆく北九州の街やそこに住む人々の姿を描いたもので、とことん「北九州」にこだわった企画となっている。


 今回は2012年に「第56回岸田國士戯曲賞」を受賞したノゾエ征爾を作・演出に迎える。


 作品は“愛”というテーマに潔く真正面から向き合い、恨み、妬み、哀しみ、一色に染まり切れないさまざまな愛の色を描いた群像劇となっている。さまざまな“生きづらさ”を抱えた人々が“行きづらく”なっているという舞台美術にも注目だ。


 ノゾエは今回の作品について「北九州について語る作品ではなく、北九州の血が通う作品にしたい」と語っている。最近ではさいたまゴールドシアターの作・演出を手掛けるなど同世代の演劇人の中でも特に幅の広い活動をするノゾエが“北九州”という地で何を感じ、どんな作品に仕上げてくれるのか。



北九州芸術劇場プロデュース『しなやか見渡す穴は森は雨』

【日時】3月10日(金)?12日(日)(開演は金19時、土日14時。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】あうるすぽっと(池袋)【料金】日時指定・全席自由 一般3000円(当日3500円)/学生(小?大学生/要学生証提示)2500円(当日3000円)【問い合わせ】北九州芸術劇場(TEL:093-562-2655 [HP] http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp/ )【作・演出】ノゾエ征爾(はえぎわ)【出演】椎木樹人(万能グローブ ガラパゴスダイナモス)、中薗菜々子、山中志歩、片渕高史(宇都宮企画)、三好美優(劇団ルアーノデルモーズ)、脇内圭介(飛ぶ劇場)、高山実花(モンブラン部)、鈴木隆太、青木裕基(飛ぶ劇場)、中前夏来、橋本隆佑(超人気風族)、森川松洋(バカボンド座)、梨瑳子、原岡梨絵子(劇団ショーマンシップ)、荒巻百合、目次立樹(ゴジゲン)