【インタビュー】リアルすぎる“モフモフ”は完全CG! 映画『ピーターラビット』ウィル・グラック監督

 一方で、ピーターたちの“モフモフ”っぷりは思わず触れたくなるほどリアル。

「彼らの毛は完全にコンピューターで描いた。写真や映像を使った合成は一切していない。風に吹かれれば自然になびくし、笑ったりしかめっ面したり表情に合わせて顔の毛も動く。本物のウサギを観察して研究し、細かいところまでリアルに反映させているんだ。CGチームが一番苦労したのは、濡れた毛の表現だね。雨に降られた次のシーンではピーターたちの毛がしばらく濡れていなければおかしいと僕は言い、濡れた毛もきちんど描いてもらった。濡れて色が変わった毛の感じがよく出てるでしょ? CGチームは素晴らしい仕事をしてくれたと思っているよ」

 俳優たちは完全CGの動物たちを相手に、どうやって自然な演技を作っていったのか。

「いくつかのやり方で撮影したよ。キャラクターがいるはずの場所にぬいぐるみを置いたり、ブルースーツを来たスタッフが代わりをしたり、棒で位置をしめしたり、最後に、そこに何もない状態で演技してもらったり。この状態をゴーストパースと呼んでいるんだけど、この方法はほとんど使わないだろうと思っていたら、ぬいぐるみや棒を使っているうちに俳優たちが慣れ始めて、そこに何も置かなくても演技ができるようになっていったんだ。結局、一番多用したのがこのゴーストパースだった。俳優たちは難しいと言っていたけどね(笑)。面白かったのが、しだいに僕らはそこにいないウサギを相手に芝居することに慣れていったんだけど、慣れていない人がその光景を見るとみんなすごく戸惑うんだ。その様子を見て僕らが笑う、ということが度々あったよ(笑)」