【インタビュー】岩田剛典×杉咲花 映画『パーフェクトワールド 君といる奇跡』で“パーフェクト”な共演!

杉咲花(撮影・蔦野裕)
 あるハプニングをきっかけに距離を縮めた樹とつぐみ。真っすぐなつぐみの思いを樹も受け止め、しだいに愛を育んでいく。しかし樹を支えながらインテリアデザイナーとしての仕事にも励むつぐみはある日、樹の目の前で倒れてしまう…。

岩田「あのシーンは原作の中でも印象的に描かれていて、僕も映画の中でも重要なシーンになると思っていて、その撮影の日が来るのを少しドキドキしながら待っていました。時間も限られたなかでの撮影だったこともあり、普段は温和なスタッフたちもちょっとピリついた雰囲気を醸していたんですが、そんな中で花ちゃんがチョコを配ったりして場を和ませていて、さすがだなと思いました(笑)」

杉咲「いえ、そんな(笑)。私は、撮影初日のシーンも思い出深いです。美術館で樹とデートしているシーンなんですけど、セリフが無くてアドリブ、しかも長回しの撮影だったんです。それが最初の撮影だったので、ちょっと緊張していたんですが、あのシーンのおかげでつぐみと樹の距離感も何となく分かった気がしましたし、セリフが無いからこそ自分の中から出てくるものを必死に探した瞬間が、とても特別な経験になったと思います。つぐみとして“私はこの絵が好き”みたいなことを話していましたね(笑)」

岩田「“ここ、前から来たかったんだよね”とかね(笑)」

 樹とつぐみは樹の障がいに付随する、さまざまな困難と直面することになる。原作は実在する車イスの建築士・阿部一雄氏(一級建築士/阿部建設株式会社代表取締役)など車イスで生活をする人たちへの取材をもとに描かれており、本作でもセンシティブな現実や当事者たちの複雑な心境にも迫っている。

岩田「そこが、僕がこの役を演じたいと思った理由でもあるんです。甘酸っぱい恋愛映画が多々ある中でも本作は、命の物語の中で描かれる恋愛の形、そういったものが表現できる、素晴らしい作品になると感じたんです。これまで少女マンガはほとんど読んだこと無かったんですけど、今回、原作も読ませていただいて。読み終わったときに“すっげえ、いい話だな”と思いました。読んでいてグッと来るものはありましたね。脚本を読んだときも、心から感動できる映画になるだろうなと思いました」