令和初の車いすバスケ日本一決定戦が開幕!

宮城MAXの藤本怜央
 注目は前回優勝の宮城MAX。2008年大会の優勝以来トップに君臨し、昨年は前人未到の10連覇を果たした絶対王者。今年も優勝候補の筆頭として、チームの大黒柱である藤本怜央や豊島英を中心に牙城を固める。10日に行われた一回戦では、伊丹スーパーフェニックスと対戦。ハイポインターの藤本が36ポイントの得点を決めるなど活躍し、75−64で勝利。11日の準決勝に駒を進めた。この日はそのほか3試合が行われ、埼玉ライオンズ対NO EXCUSEの対戦では、72−57で埼玉ライオンズが、千葉ホークス対ワールドバスケットボールクラブでは、40−67でワールドバスケットボールクラブが、パラ神奈川スポーツクラブ対福岡breezの試合では、95−38でパラ神奈川スポーツクラブが勝利し、それぞれ準決勝に勝ち進んだ。

 もう一つの見どころは、日本代表選手。今大会では、東京パラリンピックで活躍が期待される代表選手のプレーを間近で観戦できる。パラ神奈川スポーツクラブの鳥海連志、古澤拓也は次世代のホープとして日本代表の中核をなす存在だ。高校生でリオパラリンピックに出場し、スピードが武器の鳥海と、男子U23日本代表でキャプテンを務め、正確なシュートを放つ古澤の強力コンビは今大会注目のひとつ。二人が生み出す高速プレーに目が釘付けになるだろう。
宮城MAX豊島英
 会場では、車いすバスケを楽しめるコーナーも。車いすバスケのシュート体験やコート上でのプレーが疑似体験できるVR体験、フォトスポットなどのブースが出展し、車いすバスケを様々な角度から楽しめる。さらに11日、12日には会場外のスペースで「共生まつり」を開催。パラスポーツのパネル展示や陸上競技用車いすの体験会、被災地・障がい者応援マルシェ、人気ラジオ番組の公開生放送などの企画が行われる。

 長年、宮城MAXと頂上を競ってきたNO EXCUSEが準決勝進出を逃し、波乱の幕開けとなった初日。11日は、宮城MAXとワールドバスケットボールクラブ、パラ神奈川スポーツクラブと埼玉ライオンズがそれぞれ準決勝で対戦するほか、5位・6位決定戦の予選が開催される。「天皇杯 第47回日本車いすバスケットボール選手権大会」は12日まで開催。令和の初代王者を決める熱戦と、パラスポーツを楽しむ3日間になりそうだ。

古澤拓也


車いすバスケットボールとは……


 車いすバスケットボールはその名の通り、車いすで走行しプレーするバスケットボール。一般のバスケットボールと同様に、10分を4クオーター、合計40分の試合時間だ。特徴は、各チームに持ち点があること。身体を動かせる範囲によって、1.0点〜4.5点にクラス分けされ、選手はそれぞれ、もっとも障がいの重い1.0点から、もっとも障がいの軽い4.5点まで、0.5点刻みにクラス分けされている。コートに出ている選手5人の合計持ち点は14.0点以内で、点数の範囲内であれば、男子だけでなく女子、また2018年7月からは、健常者の選手登録が認められ、車いす利用者はもちろん、健常者も競技に参加できる。

一般社団法人 日本車いすバスケットボール連盟:https://www.jwbf.gr.jp/
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