宮城MAXが驚異の11連覇で優勝! 車いすバスケ天皇杯決勝

プレッシャーはあまり感じなかったという藤井。女子日本代表での活躍も期待

女子選手の活躍が勝負を左右


 一昨年の45回大会から女子選手が出場可能になり、今大会でも活躍が光った。昨年の決勝戦では9得点を決めた藤井郁美がこの日も躍進。フル出場し昨年を上回る18得点を上げ、優勝に大きく貢献した。彼女の活躍が昨年同様、宮城MAX勝利の鍵となったと言ってもいい。試合後のインタビューでは「一戦一戦成長して勝ち取った優勝。1回戦から点を決めることを意識していたので、シュートが決まってよかった」と安堵の表情を浮かべた。女子選手の活躍については、「自分のことだけにせず、女子日本代表チームにも生かしたい。女子プレーヤーにも注目していただけるとうれしいです」と語った。

次世代の守備を担う赤石。コート外でも積極的に声がけする熱い一面も

若きエースの悔しさ、次へのバネに


 一方の埼玉ライオンズは、今大会でも活躍した18歳の赤石竜我が持ち味の守備を生かせず苦戦。昨年10月に高校生ながらA代表デビューした赤石。国内屈指の守備力を生かし、今大会でもチームを準優勝まで押し上げたが、優勝には及ばなかった。「今日まで最高の準備をしてここまで来た。だけど、宮城MAXは得点力の多いトップ選手が多く、僕らのディフェンスを上回るオフェンスだった。自分のプレーができず、実力不足を痛感した」と悔しさを滲ませる。自身の課題は、冷静な判断だとし、「自分の思うようなプレーができなかった時に混乱してしまう。どんなに熱くなっても頭はクレバーに立て直せる判断を鍛えたい」と語った。埼玉ライオンズが大好きだという赤石。「このチームでどうしても日本一になりたい。今日の敗戦を次に繋げるために、明日からまた準備したい」と今後の目標を語った。

決勝戦には両親の姿も。「母の日に最高のプレゼントができました」と藤本は試合後、笑顔を浮かべた
表彰式での各賞の受賞選手は以下の通り。

大会MVP:藤本怜央(宮城MAX)
サントリーやってみなはれスピリッツ賞:赤石竜我(埼玉ライオンズ)
三菱電機Changes for the Better賞:藤井新悟(宮城MAX)
スリーポイント賞:古澤拓也(パラ神奈川スポーツクラブ)、竹内厚志(ワールドバスケットボールクラブ)
オールスター5:斎藤貴大(伊丹スーパーフェニックス)、赤石竜我(埼玉ライオンズ)、竹内厚志(ワールドバスケットボールクラブ)、藤井郁美(宮城MAX)、藤本怜央(宮城MAX)


(取材と文・丸山裕理)
<<< 1 2