実は大学生が危険? SNS時代におけるデジタルリテラシーの高め方



 つづくトークセッションでは、デジタルプライバシーに詳しい株式会社企 代表取締役のクロサカタツヤ氏と、HIGH(er) magazine編集長のharu.が登壇。専門家とデジタル世代によってSNS利用の現状や未来についての議論が交わされた。

 クロサカは、若い世代のデジタルリテラシーについて、実は世代によって認識が少し違うことを指摘。現在の小中高校生は、生まれた頃からスマートフォンが存在し、学校のリテラシー教育も充実しているという。一方で、見過ごされがちなのが大学生世代。「リテラシー教育をあまり受けてこなかった世代。でも年齢的には、18歳以上で、理解はあるはずだと判断されてしまう。リテラシーを学ぶ機会が少なかったのではないか」と分析した。

 自身も大学を卒業したばかりのharu.も「友人で許可なしに載せてしまう人が多く、発言も気になる。自由に発言できることと、発言に責任を持つことのバランスが偏っているのではないか」と警鐘を鳴らした。「毎日のように使っているのに、友人同士でプライバシーやセキュリティー話はあまりしてこなかった。こうしたイベントをきっかけに、どこまで自分の発言を流すのか、コメントを管理するのか、といった自分の状況を話せるのは大事だと思う」と語った。



 議論は、SNSの未来にも及んだ。国内では、2020年に向けた個人情報保護法の見直しが始まっている。ただ、クロサカは、「法律は罰することはできるが、守ってくれることは、実は少ない。プライバシーやセキュリティーの理解・対処を、変化を受け止めながら自身で理解することが大事」と予防策の必要性を訴えた。
 
 Facebookが日本に登場して、まもなく11年。SNSにおけるコミュニケーションが当たり前となるなか、プライバシーの保護やセキュリティー管理は、誰しも考えるべき重要な問題になっている。

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