【令和は「レス」社会】本来あるものがどんどんなくなっていく!?

もとはといえばマナーレス化が原因では…【プラスチックレス】



 昨今、海洋汚染問題がクローズアップされている。タイでは死んだクジラの胃から大量のポリ袋が見つかるなど世界中に衝撃を与えた。

 昨年6月にはマクドナルドがプラスチック製のストローの廃止を発表。日本でもコンビニがコーヒーのカップを紙製に切り替える動きを見せている。また買い物の際に商品を入れるビニール袋を撤廃し紙袋に移行するという動きもある。
 確かにプラスチックは微生物の力で分解されないためいつまでも自然界に残り、地球には優しくない。どこかで生産量に歯止めをかけなければいけない時代は来たかもしれないのだが、そもそも「海に捨てんじゃねえよ」とか「燃えないゴミの日に出せよ」という話。マナーレスが引き起こしたプラスチックレスという構図なのだが、もともとのマナーのほうを何とかしないと根本的な問題の解決には至らないんじゃないかという危険性もある「レス化」ではある。


【ジャッジレス】


 昨今のスポーツ界では「ビデオ判定」の導入が進む。昨年のサッカーW杯ではビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が導入され、得点、PK、レッドカード、警告などの選手間違いの4項目で大いに効力を発揮した。日本のJリーグでも5月17日の浦和−湘南戦で湘南の明らかなゴールが認められず、これをきっかけに2021年までにVARを導入することを目標とすることが発表された。


【定年レス】


 政府が5月15日に行われた未来投資会議で、今夏に決める成長戦略の実行計画の骨子を提示した。そこには希望する人が70歳まで働ける機会の確保を企業の努力義務とすることが書かれた。その手段として定年の廃止や延長なども挙げられている。これについては「死ぬまで働かせる気か!」という意見の一方で、十分な老後の蓄えがない場合はそのまま定年を迎えることは死活問題になりかねないという一面もある。


【カフェインレス】


 もともと妊娠・授乳期にも安心して飲めるコーヒー好きママたちを中心に関心が高まったカフェインレス。いまでは、カフェインの摂りすぎを抑えたい人や、就寝前に寝つきが悪くなることを気にせずコーヒーを楽しみたい人など、ライフスタイルに合わせていろいろな世代に広がっている。カフェインが少なくても、コーヒー本来の旨味やコクを味わいたいもの。ニーズの高まりとともに、各社は質の向上にしのぎを削っている。


【行列レス】


 人気のイベントや飲食店には行列はつきもの。並ぶだけで疲れてしまい、デートが台無し、なんて経験もあるはず。楽天イーグルスの本拠地、楽天Koboスタジアム宮城では、飲食店舗で待たずに商品を受け取れる「スタジアムオーダー」を日本で初めて導入したほか、行列の代表格、東京ディズニーリゾートも、アトラクションに優先して入場できるファストパスをスマホで発券できるように進化。時短消費はますます加速しそうだ。


【ミートレス】


 世界的に高まる健康志向や訪日外国人観光客の増加など、食のニーズが多様化する中、「菜食主義」に対する注目も高まっている。欧米では、完全菜食の「ヴィーガン」をはじめ、菜食を中心に肉類も食べる「フレキシタリアン」など志向もさまざま。国内ではダイエットやメタボ対策として注目されている。ロッテリアからは大豆を使った「ソイ野菜バーガー」、IKEAからはミートボールならぬ「野菜ボール」が販売中。


【ペーパーレス】


 一般企業でのペーパーレス化が進む中、国会でのコスト削減策として議員への配布資料のペーパーレス化が持ち上がっていたのだが、衆議院では次の次の国会から議員による質問主意書と政府の答弁書をペーパーレス化し、ネットで閲覧する形式をとることとなった。5月16日に行われた衆院議院運営委員会理事会で与野党が了承した。これにより年間約4600万円の経費が削減できるという。

 ポピュラーなものからまだまだ知られていないものまでさまざまな「レス」が世の中で進んでいる。AIが目まぐるしい発達を遂げて行けば最終的には「ヒューマンレス」の社会になったりして…。



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