この夏、東京近郊で見られるパラリンピック競技が目白押し!【観戦ポイントにも注目!!】

 いよいよ1年後に迫ってきた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会。世界中からトップアスリートが集まるスポーツの祭典に、わくわくしている読者も多いはず。先月のオリンピック観戦チケットの申し込みに加え、この夏には、パラリンピック観戦チケットの販売が始まる。実は、パラスポーツは、独自のルールや見どころが満載! 夏季シーズンの今、東京近郊で見られる大会もあるので、来年に向けてぜひチェックしたいところ。今回は、先日開催された大会のリポートとともに、パラリンピック競技の見どころ、注目選手を紹介。


感覚を研ぎ澄ませ!
ブラインドサッカー日本一決定戦が開幕



 走る足音、ボールの音、相手の気配や息遣い。あらゆる感覚を研ぎ澄まして行うスポーツが、ブラインドサッカー、通称ブラサカだ。ブラサカは、アイマスクを装着して行うサッカーで、選手たちは、音の鳴るボールによってボール位置を把握し、プレーする。「見えない」からスロープレーだと思ったら大間違い。「ボイ!(スペイン語で「行く」の意)」という掛け声とともに、選手たちはピッチを縦横無尽に動き回り、果敢に相手ボールを奪いに行く。一度生観戦したら、そのスピードと迫力にきっと驚くだろう。

 6月1日には、全国のブラインドサッカーチームの頂点を決める「第18回 アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権」が東京で開幕した。今年は初となる東京・福島2会場での開催が決まり、沖縄勢は初出場となった。東京会場の予選ラウンドを制したのは、文京区拠点のfree bird mejirodai(以下、目白台)。3度目の出場で、初の決勝進出を決めた。

 目白台は、平均年齢23歳の若いチーム。これまでは日本代表経験のあるエースストライカー、鳥居健人が得点源となり、プレーを牽引する試合が多かったが、今回は違った。初日から園部優月や丹羽海斗など、若手選手が続々とゴールし、勝利の立役者に。準決勝まで全勝で勝利のリレーをつないだ。「チーム全員が得点を狙っていけるチームになりたかった。こういう大会で決めてくれたというのは、本当にうれしい」と鳥居。若手の才能が開花し、チーム全員でつかんだ決勝進出だった。

 ブラインドサッカーのプレーには、「静寂と熱狂」が入り混じる。試合中、選手たちは、監督やキーパー、ガイドからの指示、味方の声、ボールの音など、あらゆる「音」に集中している。そのため、ピッチ外の観客は音を立てずに試合を見守ることが求められる。静寂のなか繰り広げられる激しい攻防戦は、ブラインドサッカーならではの魅力だ。もちろん、ゴールが決まったときは一緒に声を出して喜ぼう。
 日本一が決まるFINALラウンドは7月7日。東京・調布を舞台に、決勝戦と3位決定戦が開催される。過去最多22チームの頂点に立つのはどのチームなのか。ピッチを駆ける選手たちの激闘に注目だ。
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