【インタビュー】橘ケンチ「魍魎の匣」に「いい予感」 21日の開幕に向け“修行”の日々



妖怪とか物の怪系が出てくるのかなと思いきや、すごい人間臭い作品


――舞台化に取り組むことになる以前に、原作をお読みになっていましたか?

 京極先生の作品は読んだことがあったんですが、「百鬼夜行シリーズ」は読んだことなかったんです。本は読むんですが、実用書とかビジネス書が多くて、小説はそこまでたくさん読んでこなかったんです。「魍魎の匣」って、すごく分厚いんですよ(笑)。ここまで分厚いものにトライしたことがなかったので、いい機会をもらったと思っています。今回原作を読んでみて、改めて物語の素晴らしさを感じたので、まずは「百鬼夜行シリーズ」から読破しなくてはと思っています。

――原作を読んで、どのような印象を受けましたか?

タイトルが「魍魎の匣」、魑魅魍魎の魍魎ですから、妖怪とか物の怪系が出てくるのかなと思いきや、そういうものではないんですよね。最終的には人間同士の関係性のなかでの怨恨とか、人と人のあいだで生まれる感情がどんどん変わっていくことで、いろんなことを引き起こすんだってことで、すごい人間臭い作品だって感じました。殺人事件が出てきたり、すごい描写のものもあります。だけど、スケール感はちょっと違うけれど自分の身の回りで起こらないということでもないな、と。自分と自分の周りとの関係を改めて考えさせられました。

――稽古もすでに総仕上げのタイミングかと思いますが、演じる京極堂という役にはどのように向かってきましたか?

稽古に入る前に演出の松崎(史也)さんに言われたんです。ケンチさんにめちゃくちゃしゃべってもらいますって。その言葉に説得力を持たせなきゃいけないなあと思って稽古に入りました。セリフが長いっていい事もありますが、長い分間延びしたり、自分のボロも出やすくなりますし、怖いこと。1カ月弱の稽古のなかで集中してやってきました。

――古書店の店主で、神主で、陰陽師。副業は「憑物落とし」。演じがいがありますね。

本当に楽しみで、アクションでバーッととか、がなり立ててガンガンとやっていく感じでもないですしね。

原作のイメージ、世界観は壊さないように。プラス、舞台の見せ方をふんだんに駆使したものにしたいと話して進めてきました。演出の松崎さんとはお客さんに熱量を届ける舞台にしようと話しています。