「現代お墓事情」タテからヨコへ。デザイン墓派の約1割は多いか少ないか

「一般社団法人 全国優良石材店の会」の吉田岳会長
「建てた後にお墓参りにたくさん人が来るお墓がいいお墓」

 ここで気になるのがデザイン墓の170.4万円という数字。デザイン料や技能的にも通常のお墓より高い価格となりそうなのだが、これはあくまで平均値。デザイン料や技術料といったものは各石材店でばらばらで、なおかつお墓の大小も千差万別。小さくて石の量が少なく、簡素なデザインであれば低価格ですむが大きくて高度な技術が求められるようなものであればやはり高い価格帯になってしまうようだ。

 全優石の吉田岳会長曰く「30年ほど前は和型がほとんど。徐々に洋型が増えてきて、デザイン墓は出た時は飛躍的に伸びたが、今は約10%に推移している。お墓なので“あまり奇抜なのはちょっと”と保守的に考える人が多いよう。デザイン墓を望むのはある一定のニーズなのかなと思う」とのこと。またデザイン墓というのは「形の前に誰のためにどういうものを建てたいか。思いを込めるとオリジナル性が強くなる」という側面もあることから、「世の中が変わって、形より気持ちを重視するような風潮が強くなれば、デザイン墓が増える可能性はある」とも話した。

 また吉田氏は「いい墓」について「建てた後にお墓参りにたくさん人が来るお墓がいいお墓」と話している。
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