【インタビュー】浅沼直也、上田慎一郎、中泉裕矢の「カメ止め」クリエイター陣がトリプル共同監督『イソップの思うツボ』

 異例の大ヒットを記録し2018年最大の話題作となった『カメラを止めるな!』のクリエイター陣がこの夏、またもや日本をダマす!?  映画『イソップの思うツボ』は、「カメ止め」監督・上田慎一郎のオリジナル脚本をトリプル監督で映画化。上田とともにメガホンをとったのは『カメ止め』で助監督を務め、「カメラを止めるな!スピンオフ『ハリウッド大作戦!』」や『君がまた走り出すとき』を監督した新進気鋭の監督・中泉裕矢と、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017でグランプリを獲得し、『カメ止め』ではスチールを担当した浅沼直也。三者三様の特徴を生かしつつ情熱をぶつけ合い、二転三転のドラマが繰り広げられる予測不能のエンターテインメント!
上田慎一郎(撮影・大野洋介)
 本作の企画が始まったのは2017年のこと。オムニバス映画『4/猫 ねこぶんのよん』(2015年公開)で各話を担当した際に意気投合した彼らは、若手クリエイター支援プロジェクトに「3名の共同監督による長編映画の制作・商業公開」という案を応募。見事採用されたことから制作が決定した。

中泉裕矢(以下:中泉)「オムニバスをやった後、もっと一緒に作品を作りたいね、次は長編やりたいねと話していて。それじゃ、3人が共同監督として1本の長編を作ろうと、ごく自然な流れでそういうことに。当時はさして疑問も抱かずそういうことになったんですが…脚本がほぼできるまで2年かかりました(笑)」

上田慎一郎(以下:上田)「まず2年以上、どういう企画にするのかという段階ですったもんだしていましたからね(笑)」

浅沼直也(以下:浅沼)「ほぼ何も進まない2年だったね」

上田「最初は、1人の女性の10代、20代、30代をそれぞれ撮ってみたらどうかとか。春夏秋冬とかの季節で分けようか、という案もあったけど、でもそれだとオムニバスと変わらない、となって。各々が短いプロットを出し合ったりもしたけど、それでも固まらなくて」
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