オダギリジョー監督「劇場で観ないとこのよさは伝わらない」長編初監督作『ある船頭の話』に自信

“野暮”を聞き返されたオダギリは思わず苦笑
 監督作への自身の出演を問われ、「台詞を覚えるのはけっこう面倒くさくて、絶対に出たくなかった(笑)。監督として自分の作りたいものに集中するのであれば、俳優をやっている暇はないと思っていたので、今後も出ないと思います」ときっぱり。また、同じ俳優に対する演出を「(主演の)柄本(明)さんもそうだし、橋爪(功)さんや草笛(光子)さんなど、本当に尊敬するとても多くの先輩方に出ていただいているので、先輩たちに芝居をつけるのは避けました(笑)。俳優は役を考えるのが当たり前で、その役を深めることが仕事なので、いちいち監督が説明するのは野暮」と解説すると、同時通訳から一瞬「ヤボ?」と返されるひと幕も。

「時代や自分の置かれた環境がどうであれ、自分の信じたことを持てているかどうかが自分にとってのしあわせなのかな、という思いを込めた」というオダギリ。文明の波に直面した山村を舞台に、黙々と渡し舟を漕ぐトイチを通して人間の本質を問う意欲作、映画『ある船頭の話』は9月13日(金)より新宿武蔵野館ほか全国で公開される。
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