鴻上尚史が円谷プロに令和の「カネゴン」制作を期待

森永氏と鴻上氏
トークの途中でカネゴンが登場
森永氏「カネゴンが私の金融観を作った。金融資本主義者はまさにカネゴン」

 作品の上映後には森永氏が登場。まず作品について「カネゴンが私の金融観を作った。お金というのはこういうもんなんだという理念を作ってくれたのがカネゴンの繭という作品。“お金お金”って言ってるとカネゴンになっちゃうぞ、っていうのが私の人生の第一歩。特に最後、お金を拾っていたお父さんとお母さんがカネゴンになっちゃっていたのが衝撃だった」と話す。

 そして「私は金融資本主義者のことを金の亡者と呼んでいる。仕事柄、年収数十億円、資産数百億、あるいは一千億円を超えるような人とずっと付き合ってきたが、彼らはお金は使うものではないと思っている。お金中毒。お金が増えていかないと幸せを感じない。少しでも減ると機嫌が悪くなる。まさにカネゴン。金を食べてないと生きていけない。そういう人がいま港区を中心に住んでいる。家賃400万円とかの部屋に住んでいて、毎日部屋に違う女が寝てるって自慢する。アホかって感じ」とこちらは経済評論家ならではの視点。

 また「特に人のお金を奪ってはいけない。人を騙してお金を稼いでもいけないというのが私の基本理念。これは今の金融資本主義と真逆。私が大学に行った時は近代経済学とマルクス経済学があった。マルクス経済学は付加価値について、みんなが努力して創意工夫して、額に汗して働くから付加価値が生まれるという労働価値説を取っている。一方で近代経済学の、特に金融資本主義では付加価値については、資本がまず労働市場から労働力を買い、そして資本市場から道具類を買ってくる。この労働力と道具を結びつけた瞬間に付加価値が生まれるというのが今の経済学。昔は労働者は価値を生む源泉だったからすごく大切な存在だった。でも今の経済学では道具と横並びの存在になった。でも“それじゃダメだ”ということを言っていたのが『カネゴンの繭』という作品」などと続けた。