【田口桃子の連載「SOD女子社員は脱がなきゃだめですか?」】第8回「バイブ使っちゃだめですか?」


 今回特に思ったのは、アダルト業界で働く、もしくは活動をする若い女性が増えたなということでした。
 とはいえ私も10年くらいのことしかわからないのですが、この2~3年で特に、健全に活動をする若い女性が増えたように思います。

 ここでいう健全というのは、「女性にとって良い商品がある」「良い商品をしっかりオススメすることができる」という環境があることを指しています。
 男性が作った“これが良いんだろ”という思い込みの塊の商品で、売るのも買うのも男性がメインだった市場では、売れるものも売れません。
 場合によっては、商品を作ったり売る前に、同じ職場の男性を納得させるという手順も必要になります。(とはいえ、どんな商材でも上司へのプレゼンはあるかもしれませんが、女性が使うバイブの良さを、使ったことがない男性に理解してもらうのは、かなりハードルが高いことだと思っています。)
 そんな中で、地道に女性のための商品を作り続けてきた女性たちがいるからこそ、今少しずつですが、健全化してきているのではないでしょうか。


 また、この回でもうひとつ感じたのが、この日出会った女性は、相手の話をしっかり聞く、聞いてリアクションをするという能力に非常に長けていると感じました。
 性というデリケートなものを扱うときは相手のことを、茶化してもいけない、ごまかしてもいけない、否定してもいけない。
 だから、きちんと相手の話を聞いて正しく理解することが必要だと、私は思うのです。
 性に関する商材を真剣に扱ってきている人だからこそ、他人との距離感の取り方が絶妙だし、その距離感をとることがとっても上手だと思いました。

 もちろん、アダルト業界の人すべてが、コミュニケーション能力に長けているわけではありませんし、この業界にいることでその能力が伸びるというわけでもありません。
 ですが、真剣に取り組めば取り組むほど、他人の性を受け入れる、違いを認める必要性が出てくるので、その分コミュニケーションに幅が出てくると言えるのではないでしょうか。


 たくさんのバイブたちを前にして、気を許して語り合える空間が、とても快適な一夜でした。
 第二回の開催を心待ちにしています!

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田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL’S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL’S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL’S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。
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