【インタビュー】古川雄輝 WOWOWオリジナルドラマ「悪の波動 殺人分析班スピンオフ」“トレミー”が主人公に!

「殺人分析班」見ごたえの秘密


 本作では、リアルな緊迫感をもたらすロケーションなど、撮影シーンにもこだわりが満載。

「本物の廃墟で撮影しているんですよ。『殺人分析班』シリーズではロケ地を決めるときに本当にそういった廃墟や団地を選んでいるみたいです。いくつかのロケ地は撮影後に、なくなってしまうらしく…。それくらい古いところに行きます。今回行った場所も、蜘蛛の巣があったりネズミがいるような場所で行いました。本物の廃墟です。一方、スタジオのセットは美術さんがとてもこだわって作って下さいました。たとえば『石の繭』で雅人が団子を食べていたので、今回も僕の部屋には団子の串が置いてある、とか(笑)。あと、雅人はガスマスクをするシーンがあるんですけど、別のシーンで軍事マニアっぽい人の部屋が出てきて、そこにいろいろなマスクが置いてある。もしかしたらここで手に入れたかも?って思わせるような遊びも入っていますね。細かいところまで楽しめます」

 3作品を通し、内片輝監督とは揺るぎない信頼関係を築いていたという古川。監督とのコミュニケーションについても語った。

「現場で何か提案とか、お伝えすることはほとんどないです。撮影が止まってしまったりもしますし。僕はだいたい、衣装合わせまでにセリフを覚えて、衣装合わせの段階で質問を投げて、クリアにして現場に入っています。ただ、今回は監督と3度目だったということもあり、監督の言うことに間違いはないという信頼があったので、そんなに質問をすることもなかったです。どこでトレミーになってしまったのか、老夫婦との距離感はどうしましょうか、という2点だけはしっかり確認しました。役者の意見も聞いてくださる方なので、とてもやりやすかったです」

 悪役を演じて得たものは?

「特有の楽しさがあります。『石の繭』をやっていたときは、殺人を犯す人ってどんな人物なのか、どうやって役作りをするかを自分なりに考えるなかで役者としてのやりがいを感じていました。当時、殺人犯が描いた絵を展示した『シリアルキラー展』にも行ってみたりして、殺人鬼の心情とはどういうものなんだろうと、毎日のように考えていましたね。悪役は、役者としての引き出しが増えるので演じていてとても勉強になります」