間宮祥太朗 × 桜井日奈子 ネガティブキャラが愛おしい!映画『殺さない彼と死なない彼女』

[桜井日奈子]ヘアメイク・白水真佑子 スタイリスト・小林希 撮影・星野雄飛

ネガティブなのに愛おしい。小坂と鹿野の役づくり


 妥協することなく丁寧に、時間をかけて紡ぎあげた小坂、鹿野たちの物語。一見、誰に対しても壁を作っているかのように見える2人を、間宮と桜井が魅力的に、共感度満点に演じている。

間宮「桜井さんが演じた鹿野は本当に難しい役どころだったと思います。鹿野が魅力的に見えないとこの作品が成立しないという役だから…僕は、ただぶっきらぼうにしていればよかったけど(笑)」

桜井「いえ、間宮さんに引っ張っていただいたおかげです。とくに最後のほう、夢の中に小坂が出てくるシーンでは、数十回もテイクを重ねてしまって。私がリハの段階で感情が高まりすぎて大泣きして、いざ本番で涙が枯れてしまったという…。最後の最後でOKを頂いたのは、間宮さんのお芝居に引っ張ってもらったからだと思っています」

 そんな小坂や鹿野への共感は?

間宮「演じる役によっては共感する部分が少ないということもあるんですが、今回の小坂は、理解できる部分がけっこう多いと感じました。僕自身、口の悪さに心当たりがありますし(笑)、好きな女の子に対して優しくしたり相手を喜ばせるような言動ができず、あえて距離をとってしまったりする気持ちも分かる。でも、その距離感に愛を感じるんです。冷たくして、つっけんどんな態度をとったっていいだろというスタンスをとりつつ、鹿野が本当に傷ついていないか、大丈夫かどうか、自分から距離をとりながら不安になっていたりする。そんな小坂が、ちょっとかわいいと思いました(笑)」

桜井「鹿野は、本当はすごく感受性が豊かな子だなと思うんですけど、自分の気持ちをうまく周りに伝えられなかったりするんですよね。私はわりと自分の思ったことを態度に出せるタイプですし、ずっとバスケをやっていてゴリゴリの運動部でもあったので(笑)、ちょっと違うタイプかなと思うんですが、でも鹿野がかまってほしいときになんとなくかまってほしいような行動をするのは共感できます」

間宮「僕は中学3年のとき、ほぼ小坂でしたよ(笑)。中学2年のときに野球をやめて、それまでクラスの中でも目立ってうるさい集団の真ん中にいたのが、自分の立ち位置や人間関係が変わってしまって。休み時間は、教室の後ろの席でずっと寝ていたりして、まさに小坂のようだった時期がありました」