インパクト大の“前後不覚”なネコは天才!?猫写真家・沖昌之が“必死すぎるネコ”を撮り逃さないワケ

『必死すぎるネコ 〜前後不覚 篇〜』P.55より(撮影:沖昌之)
 子猫が飛び跳ねている写真(P.55)では「子猫ってびっくりするとピョンピョン跳ねるんですが、ヒトからすると『えっ、今なん?』って跳ねるタイミングが分からないんですよね。地域猫のお世話をしている人が不妊去勢手術をしてくれて外で子猫に出会う機会が減って、子猫の撮り方がよく分からないうえにジャンプのタイミングも分からず、『うわっ』と思いながらシャッターを切って唯一ピントがきれいに合った一枚です。でも、どう考えてもこの黒猫にびっくりする要素がない(笑)」と冷静に見ると不思議な場面も。歩幅が合わずほかの猫とぶつかってしまう猫(P.9)には、「白黒の猫を追いかけていたんですけど、その猫以上に走り込んでぶち当たってるんですよね。見た瞬間に『それはないわ〜』と思いながら撮った1枚(笑)」と感想を漏らす。
『必死すぎるネコ 〜前後不覚 篇〜』P.9より(撮影:沖昌之)
 元来は出不精だった沖が「猫と出会ってからいろんなところに行く機会が増えた」といい、写真展やイベントで赴いた場所に滞在して撮影することも。今回の写真集では京都や徳島、北海道、トルコ、台湾など旅先の猫も収録されている。顔を振っている猫に対するシャッタースピードや目線が低い猫にはファインダーをのぞかない、コントラストが強い場合の露出調整など決定的瞬間を逃さない撮影テクニックも惜しみなく披露した。