「失敗を糧にできる」若者を育むために日本の社会ができることとは

 朝日教授が「自分も子供の親として、いろんなことに挑戦させてあげたいという気持ちはあるが、失敗したら二度とはい上がれないかもしれない社会で、どんどん失敗しろなどと無責任なことは言えない。我々大人がまず社会の環境を変えていかなければならないのでは」と問いかけると、山川氏は「人自身ではなくその行動が失敗だというマインドセットが広まること、そして、人の失敗を社会で共有して再発を防ぐという意識が必要だと思います」。永井氏が「私は生徒たちに大学に入ったらSNSを始めて、炎上も経験して、就職活動のときに全部消すようにと伝えています」と笑いを交えて話すと、鈴木氏は「ネットを見ていると、叩く必要もないことだったり叩いている人のほうが病んでいるのではと思えるケースもある。そういった人は自分が誰かから叩かれているのかもしれない。叩きの悪循環みたいなものがあるとしたら、せめて自分がその連鎖を止めるぞと思う人が増えたら変わるのかも」と語った。

 最後に山川氏は「自分のミスを認め、人のミスを許すことができれば社会は大きく変わってくるはず。ただ大切なのは、その失敗は最善を尽くしたうえでの失敗かどうか。最善を尽くしたうえでの失敗なら、それはむしろすばらしいこと」と話し、登壇者たちも大いに納得していた。
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