車いすラグビー日本選手権、発足1年の新チームTOKYO SUNSが初優勝!パラ後に続くチーム作りたい

ローポインターとして日本代表でも攻守ともに活躍する今井友明(TOKYO SUNS/クラス1.0)(写真・PARAPHOTO 秋冨哲生)
2020年のあと見据え、生まれた新チーム

発足から1年のTOKYO SUNS。チームの立ち上げには「2020年のその後」を見据えた思いがあった。「2020年の後に続く選手を、という思いで立ち上げました。前からそうした事をしたいなと話していて、昨年末に本格的に動き出したと思います」と今井は経緯を語る。

その先には、車いすラグビー界の発展を願う気持ちがあった。池崎は「理想はクラブハウスができること。次世代の人が練習場所に困らない、世界に挑戦できる夢が叶えられる環境です。今は自分たちがそうしたものをもらっている中で、今度は自分たちが作っていかないといけない。そこには企業の理解も必要。これが次の目標なのかなと感じます」と、車いすラグビー界のエースとして責任感を滲ませた。
指揮官として選手に声をかける池崎。優勝するも「チーム力というところでは、まだまだ。完璧じゃないし、理想じゃない。やらなきゃいけないことは沢山あります」と語った。(写真・PARAPHOTO 秋冨哲生)
チーム名に込めた思い

「一人ひとりが輝くように」と名付けられたチーム名“SUNS”。そこには得点源のハイポインターだけでなく“みんなが輝く”という意味も込められているという。ローポインターとしてチームに貢献する今井は「僕自身、スピードは速くないけど、頭を使って、相手の嫌なとこに先回りするようなプレーを目指しています。それぞれ障害の程度があるので、そうやって自分に合ったものを考えてプレーできる選手を育てたい」と思いを語った。

ラグビーイヤーの2019年、例年以上に注目が集まった車いすラグビー。決して浮き足立つ事なく、若手の育成や、練習環境の確保、競技の認知など、取り巻く環境に真摯に向き合う選手の姿を見た。新チームTOKYO SUNSの初優勝は、車いすラグビー界に新たな道筋を描いたに違いない。

(取材・文 丸山裕理)
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