カンヌ最高賞受賞の韓国映画『パラサイト』来日会見で監督・主演が日本語ツッコミ



 衝撃のストーリー展開と結末に、日本では早くも“ネタバレ禁止運動”が起きているという本作。アイデアを思いついた理由を聞かれた監督は「日本でもよく大学生が家庭教師のバイトをすることがあると思うんですが韓国も同じで、実は僕も一度、とても裕福な家の中学生の男の子の家庭教師をしたことがあるんです。そのとき他人の私生活を垣間見るという体験をしたわけですが、実はその仕事を紹介したのが当時の彼女、今の妻なので、映画とやや似ていますね。幸いにも2カ月でクビになったので、この映画のような恐ろしいことは起きませんでした」と話し会場を笑わせた。

 半地下住宅で暮らす貧しい一家の父親を演じたソンが「最初は、貧しい家族と裕福な家族の話とだけ聞いて、当然、裕福な社長の役だと思っていたら、まさか半地下に連れていかれるとは…」とぼやくと、ソンを“先輩”と慕うポン監督は「ほんとスミマセン」と日本語で恐縮。さらに「今度“大雨”とか“半地下”が出てきたら、オファーをお断りしようと思う」と言うソンに、監督が「来年、新たにシナリオを一つ渡そうと思っていたんですが…タイトルは“梅雨どきの男”」と明かすと今度はソンが日本語で「ありがとうございます」。その後も、ソンが「ポン監督は撮影前に実際に演じて見せてくれるからそれをマネするだけなので俳優たちはすごくラク」とまことしやかに言うと、監督が「うそだ!」と日本語でツッコむという、20年来の盟友ならではのリラックスしたやりとりを披露した。