【インタビュー】長谷川博己、大河ドラマ『麒麟がくる』で“新しい”明智光秀を生きる。


 改めて“助演”陣を見てみると、確かに一筋縄では行かないようなメンバーが名を連ね、好き勝手なボールばかりを投げてきそうだ。例えば、松永久秀を演じる吉田鋼太郎。長谷川は「(松永と光秀が)若くして出会っていたかもしれないということになると、歴史ファンからするとすごく楽しいというか、たまらないんじゃないかなと思う」。

 吉田はキャスト発表の際「やりたい放題ができるのでは」と話していた。

 織田信長は染谷将太。親との関係とか家族の関係、どこか孤独を感じさせるような信長像になっているといい、「全然違う感じで、すごい素敵。今までの信長像とは違うんじゃないですかね」と、長谷川。

 少し距離感のある言い方は、役の関係性に近づけて「あまり近づかない感じにしている」せいかもしれない。

「まだ最初のほうなのでこの人は何者なんだろうという気持ちです。染谷さんの持つ独特な雰囲気というかムードが、今作での信長の“こいつ何かあるな”という部分とうまくマッチしているんです。表面はさらっとしているんだけど、何か内に秘めたマグマのようなものを持っている。染谷さんもこいつなんかあるなっていう感じで私を見ている感じがしています。そのあたりは、やっていて面白いです」

 そのほかにも、光秀の叔父・明智光安を演じる西村まさ彦、母の牧を演じる石川さゆり、門脇麦、岡村隆史、堺正章のオリジナルキャラクター陣など、強力なキャストが揃う。今後どのように物語が展開していくのか、楽しみだ。

 初回放送は19日。明智光秀としての約1年間の旅が始まる。

「撮影中はどういうふうになっているのかわからなかったんですが、みんなが期待しているような戦国時代の大河ドラマができているのではないかなと思っています。王道でありながらも新しさもある。2020年の俳優たちが戦国時代を演じることで、同時代性を感じる作品になっていると思っています。なぜ今、明智光秀というドラマが必要だったのかも感じられると思います」

 1年後、長谷川はどんな景色を見ているのだろうか。    
 
(本紙・酒井紫野)
『麒麟がくる』1月19日スタート!初回は75分の拡大放送

 斎藤道三に見いだされ、たぐいまれなる知識と勇猛果敢な性格で戦場を駆け抜けた明智光秀。織田信長の盟友となり、多くの群雄と戦うようになった。謎めいた光秀の前半生にも光をあて、光秀の生涯を中心に戦国時代の英傑たちの運命の行く末を描く。タイトルにある麒麟は、王が仁のある政治を行う時に必ず現れるという聖獣。麒麟は一体、いつ、誰のもとに「くる」のか。毎週日曜【総合】午後8時、【BSプレミアム】午後6時(初回のみ午後5時30分)、【BS4K】午前9時。再放送もある。
長谷川博己『麒麟がくる』で早起きに!

 撮影がスタートしてから7カ月が経過するなかで生活にも大きな変化が。「とても早起き」になったという。
「戦国時代って、いろんなことが起きるので興奮するからなのか、40歳を超えたからなのか分からないですけど、なんか自律神経が乱れている感じはある(笑)。朝目覚めるのが早い。それで、眠いかっていったら眠くなくて、ぱっと起きられるんです。ロケで朝日を狙うことも多いので、起きるのが2時半だったりするんですが、それができるようになっている自分が不思議です。朝は苦手だったんですけど、当時の人間みたいに、武将らしくなってきているのかなと思います(笑)」。
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