倍率200倍!『Fukushima 50』プレミアで佐藤浩市、渡辺謙ら「明日への遺産に」


 
 その思いを“ぶつけられた”内閣総理大臣役の佐野史郎は「よくこの役を受けましたねと言われる」と会場を笑わせつつ「確かに当時、現場をかく乱したと批判されましたけど、何も情報が上がってこない状況で、総理は自分で現場に行って判断しなければという決断だったんでしょう。何が正しかったかは分からないです。でも撮影中、何も情報がないなか何をどう判断したらいいか、僕自身探っていたのは事実です」と難役を振り返った。

 すると渡辺が「なぜこんな弁解するかというと映画を見てもらえれば分かります。でも佐野さんご自身はすてきな人です」とフォロー。佐野が「弁解では…」と苦笑すると、今度は佐藤が「佐野さん、そんなすてきな人かなあ」とまぜっかえし、会場はリラックスした笑いに包まれた。

 本作は世界73の国と地域で公開決定。渡辺は「なぜこのタイトルが英語表記になっているか。郡山から東京、全国、そして世界に届けるためだと思っています。思えば広島も最初はネガティブなワードでした。Fukushimaも今、ポジティブなワードではありません。でもこんな男たちが世界を救ったのかもと見せることができたら、それも変わっていくかもしれない」。佐藤は「負の遺産を、明日への遺産と変えられるよう皆さん、願ってください」と伝え続けることの大切さを訴えた。