吉本が若手芸人育成のため「神保町よしもと漫才劇場」開館

挨拶する中田カウス上方漫才協会会長

中田カウス上方漫才協会会長「漫才という商品に吉本は責任を持たないといけない」


 中田会長は「吉本興業は創業109年目。この吉本興業の最高傑作は漫才。モノを持たず、しゃべくりだけでお客さんを喜ばせる。この漫才を考え付いたのはこの吉本興業。漫才という商品には吉本は一生責任を持たないといけない。そのためには次から次へと若手が出てこなければいけない。この会社の素晴らしいところはNSCという芸能学校があること。僕らの世代はそういう学校がなく、尊敬する師匠の家を訪ね、“弟子にしてください”“帰れ”という掛け合いの中で芸人になりたいという心意気をみてもらい、師匠は弟子入り志願の子の腹の内を探っていた。そこから芸人は始まっていた。今の芸人はNSCがあって師匠のいない世代だから、そこを卒業した生徒たちが迷子にならないようにと考えたのが上方漫才協会。協会が師匠の役目になり、いろいろな意味でサポートできたら、と思い協会をつくらせてもらったし、協会大賞を作った。ありがたいことにみんな受賞後も活躍している。何かの賞を受賞することだけを目的にして、その後、大変な思いをしている子もいるが、上方漫才協会の受賞者はその後も頑張っている。それは、やはり劇場があるから。“よしもと漫才劇場”を卒業したら、大阪では向かいにあるなんばグランド花月、東京だったらルミネ。これからは劇場を増やしていきたい。全国47都道府県に、その街に見合う大きさでいいから漫才劇場ができれば、というのが僕の夢。若手にとってもそういう足腰を鍛える場所が大事だと思う。ありがたいことに、今日オープンすることができた。残された人生をできるだけ若手のために生きていきたいと思う」などとこの劇場の存在意義について語った。