高校生が描くコンテンツ文化の未来。「誰にでも開かれたプラットフォームを」

初参加のビジネスコンテストで面白さを知ったという岡崎さん
このコンテストに一緒に参加した岡崎翔吾さん。起業に興味はなかったが、初めてのビジネスプランコンテストに参加したことで自身の世界が広がったようだ。

岡崎さん「彼から“9月に参加しよう”と誘われました。起業するためのアイデアが書かれたホワイトペーパーを渡されて、その量の多さにびっくりしたんです。最初はピッチを聞いてあげていたんですけど、こうした方が良いよと話しているうちに仲間になって。コンテストで大人の人と会話をする中で、“こういうことか”と彼と思いを共有できて、面白いなと思いました。」

高校一年生のときに同じクラスだった二人。「彼なら意識が高いし、理解してくれそうだと思いました。学校内で一番信頼が置ける人」。岡崎さんについてそう語る荒井さん。思いを共有できる仲間の存在は大きかったようだ。また、岡崎さんは、高校入学までインターナショナルスクールに通っていた国際肌でもある。アニメ文化を取り巻く海外の視点も活かした。

「アニメで日本語を勉強する人がいっぱいいて、それで日本語がわかるようになった友達が沢山いました」と経験を語る岡崎さん。荒井さんも「見ていて複数のコンテンツを学ぶことができるんですね。二次創作動画はアニメ動画の素材を使って、新しいものを作るというのがポイントです」と魅力を語った。

ビジネスプランコンテストで得た自信

9月のコンテストをきっかけに参加が決まった「STARTUP STAGE 2019-関東ビジネスプランコンテスト」。ファイナリスト10チームには、学生だけでなく社会人も参加し、全国大会への出場もかけたハイレベルな戦いとなった。短期間に2つのビジネスコンテストに出場した高校生はどんな成長を遂げただろう。

荒井さん「すべてが楽しかったですね。“生きてるな”って感じがしました。あるメンターの方に、“これはちゃんとやれば3年後上場できるよ”と励ましていただいたのがすごくうれしかった。主催者の方にいつでも質問できるようにLINEグループも作ってもらって。それまで周りに理解してくれる人があまりいなかったので、そういう大人の方に出会えたことで自信に繋がりました。」

岡崎さん「昔はアニメというと、深夜に放送しているものくらいにしか思ってなかったんですけど、最近は子供や幅広い年齢の人が見られるものが増えているし、海外にも広がっています。アニメの数自体が増えているので、二次創作物の世界もきっと広がると思います。」

アイデアを磨く試行錯誤の4ヶ月で、仲間との協力や、社会人メンターとの出会い、プランを発表する度胸や自信。さまざまな気づきや発見を得られたのではないだろうか。ビジネスプランコンテストの経験が、きっと将来彼らの背中を押してくれるはずだ。
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