旅人・エッセイストのたかのてるこが語る 「“逃げる”って前向きな旅だと思う」



「ちゃんとした英語を話さなきゃいけない、ええかっこしようという自意識があかんの。それに世界中、言葉は違うけど顔の表情は同じ。お腹空いてるっていう感じで顔をしかめたら、相手も「あ~お腹好いてんの、食べ~」 って反応してくれたりするんですよ」

 もうすぐ春休み。ちょっと勇気を振りしぼり一人旅デビューしてみようかな……そんな人へオススメの旅先を聞くと。

「最初の場所としてオススメできるかは分からへんけど、一歩踏み出したい、自分を変えたいっていう人であればキューバとか。私は、自分のことを明るい性格だと思っていたんだけど、キューバに行ったら自分が根暗やと思えたほど(笑)。みんなテンションが高い! どんどん自分が巻き込まれていく感じです」


『逃げろ 生きろ 生きのびろ!』に込めた思い



 2018年、大学の教え子の「生きる意味が分からない」という悩みから生まれた一冊『生きるって、なに?』は、大きな話題を呼んだ。ひとりでも多くの人に届けたい、その気持ちが届き、広がり、なんと累計8万部のスマッシュヒットに。昨年秋には第2弾となる『逃げろ 生きろ 生きのびろ!』を上梓。前作同様500円というリーズナブルな価格もあって、現在、累計4万部を超えている。

「“自分を大事にする”“自分をいじめない”――自分が子どものときに大人から言ってもらいたかった言葉を添えています。もともとは、その教え子が元気になれる文章を書こうと思って。大学の授業で、それを配るところからスタートしました。その後、写真を添えて講演で披露したんですね。私はいつも講演の後、サイン&ハグ会をするんです。そのときに、「ぜひこれを本にしてください」って言われて。手に取りやすい500円の本にしようと思ったら自費出版しかなかった。ところが、次第に全国の書店さんから声が届いて。ありがたいです」

 パワフルなたかのさんだが、「人生のスタートは人間不信だった」と語る。

「二十歳のときに人間を好きになりたいと思って一人旅をスタートしました。旅に出ると、年齢、性別、肩書き関係なくフラットに人と接せられる」